売上100億円を目指す中堅・中小企業へ「中小企業成長加速化補助金」第3次公募のポイント(2026/9/29受付開始・10/29締切)

齊藤肇

齊藤肇

テーマ:補助金


「中小企業成長加速化補助金」は、売上高10億円以上100億円未満の企業が、将来の売上高100億円超を目指して行う大胆な設備投資を支援する制度です。第3次公募要領が公表され、受付開始は2026年9月29日(火)、締切は2026年10月29日(木)15:00と正式に確定しました。制度の骨格(補助率1/2、補助上限5億円など)は2次公募からほぼ引き継がれており、100億宣言の事前公表や外部コンサル同席禁止といった2次公募からのルールも継続しています。

公募スケジュール

・受付開始:2026年9月29日(火)
・締切:2026年10月29日(木)15:00
・1次審査(書面)結果通知:2027年1月中旬
・2次審査(プレゼンテーション):2027年2月15日~3月5日
・採択結果公表:2027年3月下旬以降

書面審査からプレゼンテーション審査、採択発表まで約半年に及ぶスケジュールのため、逆算した準備が欠かせません。

こんな企業にお勧め

・売上高が10億円以上100億円未満で、将来的に売上高100億円超を本気で目指している
・工場・生産設備の増強やソフトウェア投資など、1億円以上の大型投資を計画している
・投資を機に、継続的な賃上げにつなげる道筋を描ける
・輸出拡大やM&Aなど、販路拡大を伴う成長戦略を描ける

補助上限額が5億円という規模の性質上、対象となる投資も相応に大きく、経営者自身が成長戦略を語れる状態での申請が前提となる補助金です。

補助対象者

日本国内に本社および事業実施場所を有し、業種別に定められた資本金・従業員数基準を満たす中小企業者で、直近決算の売上高が10億円以上100億円未満であることが基本要件です。
加えて、過去3年間の平均課税所得が15億円以下であること、みなし大企業に該当しないことも要件とされています。
申請には「100億企業成長ポータル」上での「100億宣言」(将来売上高100億円超を目指す旨の対外宣言)の公表が必須で、宣言は「補助金の申請時までに」公表されている必要があります(2次公募から明確化された運用で、3次公募でも継続)。

補助対象となる取組・補助対象経費

工場や生産拠点の新設・増築、生産性を大きく引き上げる設備投資、基幹システムの刷新などの大規模なソフトウェア投資が対象です。単なる老朽設備の更新ではなく、成長性・生産性向上・賃上げにつながる投資であることが前提とされます。補助対象経費は建物費・機械装置費・ソフトウェア費・外注費・専門家経費の5区分で、このうち建物費・機械装置費・ソフトウェア費の合計が1億円以上(税抜、外注費・専門家経費を除く)であることが投資額要件です。

補助の内容

・補助率:対象経費の1/2
・補助上限額:5億円
・投資額要件:建物費・機械装置費・ソフトウェア費の合計が1億円以上(税抜)
・賃上げ要件:補助事業完了後3年間の給与支給総額の年平均上昇率4.5%以上。目標未達成の場合は未達成率に応じて補助金の返還を求められるほか、応募時点までの「足下の賃上げ」実績も評価対象となります。

審査の流れと基準

書面による1次審査を経て、経営者本人が出席するプレゼンテーション審査(2次審査)が行われます。主たる申請者・共同申請者以外(外部コンサルティング会社等)の同席は認められません(金融機関の担当者は同席可)。審査は次の3項目で行われます。

・経営力:売上高100億円達成に向けたビジョンと5年程度の高成長戦略、労働生産性向上の道筋 ・波及効果:サプライチェーンへの波及、産業競争力の強化、地域経済への牽引効果、適切な取引姿勢、BCP(事業継続計画)の策定、知的財産保護や重要技術流出防止といった経済安全保障の確保、職場環境整備
・実現可能性:経営体制、財務状況、金融機関からのコミットメント

過去の採択率と傾向

・1次公募(2025年9月19日採択発表):申請1,270件に対し採択211件、採択率約16.6%(競争倍率約6.0倍)
・2次公募(2026年8月4日採択発表):有効申請872件に対し採択223件、採択率約25.6%(競争倍率約3.9倍)

2次公募では採択率が1次公募より改善していますが、依然として狭き門であることに変わりはありません。1次公募の採択企業分析からは、売上高20億~40億円規模の企業が採択の中心であること、年平均売上成長率・付加価値増加率がともに15~30%のレンジに採択企業の6割超が集中していること、投資額が売上高の20~60%程度に達する企業が採択の約7割を占めることなどが分かっています。
逆に、売上成長率・付加価値増加率が10%未満、あるいは投資比率が20%未満の企業は採択率がほぼゼロに近いという明確な足切りラインも見えており、単一の指標だけが突出していても採択は難しく、複数の指標をバランスよく満たす計画が求められます。

2次公募からの主な変更点

第3次公募要領には、2次公募からの変更点として明示された記載はなく、内容としては2次公募のルールをほぼそのまま踏襲した「継続版」という位置づけです。具体的には、100億宣言の事前公表、外部コンサル同席禁止、賃上げ要件(年平均4.5%)、審査項目「波及効果」における経済安全保障の評価などが、いずれも2次公募から変わらず適用されます。制度が定着してきた分、採択企業に求められる水準(複数指標でのバランスと、経営者自身による説明力)は今後も下がらないとみておくのが安全です。

詳細は公式サイト「100億企業成長ポータル」および公募要領本文(https://growth-100-oku.smrj.go.jp/documents/subsidy/3rd_kobo.pdf)でご確認ください。

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齊藤肇
専門家

齊藤肇(中小企業診断士、行政書士)

合同会社メイクイットワーク

「よいカタチで会社を譲りたい」との経営者の思いをかなえる事業承継を支援。経営を見える化し、適した手段と無理のない事業承継計画を策定。着手金無し完全成功報酬の補助金申請支援等を行っています。

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