左右差の大きい聴力での補聴器装用は要注意!
94歳の方からご相談を頂きました。
もう補聴器は10年以上使っている方です。
長年にわたって耳穴式のオーダーメイド補聴器を使ってこられた方。
使用していた補聴器が年数が経ってきたので買い替えた方が良いと言われ、
1年前に新しい補聴器を購入したそうです。
しかし、その新しい補聴器を全く使わず、今も古い補聴器を使い続けています。
その理由は・・・
新しい補聴器が使いこなせないうえに、
聞こえが古い補聴器より悪いとのこと・・・
確認してみると様々な問題点が浮き彫りになってきました。
そもそも出力不足
最大の問題は、購入した補聴器がそもそも出力不足だったこと。
この方は障がい手帳も持ってらっしゃる高度~重度難聴レベルにも関わらず、
中等度難聴向けの機種を買わされていました。
使い慣れない耳かけ型
次に、長年にわたって耳穴型補聴器を使用して慣れていたところに、
耳かけ型補聴器に買い替えたため、うまく装着できずにイヤになってしまった点。
年齢も考えると、新しいことを1から覚えるのは大変かと思いますので、
使い慣れた耳穴型で買い替えたほうがよかったと思われます。
それでも聞こえが改善するのであれば頑張って使ったのでしょうが、
パワー不足なうえに使い勝手が変わってしまったのでは、イヤになってしまうのも理解できます。
手帳があるのに助成金の説明なし
最後に、障がい手帳を持ってらっしゃるのに助成金の説明がなかったということ。
申請には時間と手間がかかるので、中には面倒だから全額自費で良いとおっしゃる方もいますが、
それは説明を受けた上で、ご自身やご家族が判断するべきこと。
以上、かなり問題ありな販売店で買ってしまったために、20数万円を無駄にしてしまった案件。
非常に残念です。
ご高齢の方の場合、まず使いこなせるかどうかは機種選定の大事な判断ポイントです。
そして当然、聴力レベルに見合った機種かどうか、
最後に助成金の申請基準に該当するかどうか、
これらの点に充分気をつけて頂きたいと思います。
補聴器は大変高価な機器であるにも関わらず、大変レベルの低い販売店が散見されますので、
ご家族にご高齢で、補聴器を検討される方がいるときは是非いっしょにお店まで足を運んで頂き、
しっかり見極めて判断なさってください。