歯周病予防にはプラークコントロール、難聴予防にはノイズコントロール
聴力レベルに対して言葉の聞き取りが極端に良くない方がたまにいらっしゃいます。
本日ご相談に来られた方も、そのような悩みをお持ちの方でした。
聴力測定をすると、軽度~中等度難聴くらいのレベル。
この結果だけを見ると補聴器で充分に効果を得られそうなレベルに思えます。
4年前に購入したという補聴器を片耳装用していますが、
あまり会話の助けになっていないとのこと。
周囲が騒がしかったり、大勢の中での会話はほとんど聞き取れないと・・・・
これまで4か所ほど耳鼻科を受診しましたが、加齢による難聴以外の診断はなく、
脳神経外科などにも行ってみたが、異常は見当たらないなどの診断だったそうです。
補聴器店も何軒か回ったが、どこも解決に至らなかったと・・・
語音明瞭度測定をしてみると、最高でも40%程度の聞き取り。
少し小さめの音量だと、10~20%と極端に低下します。
だからと言って音量をたくさん上げても聞き取りは改善せず、
逆にかえって下がる傾向にありました。
これを見ると、すごく聞き取りが悪いように思えますが、
補聴器をした状態で対面して1対1で会話をすると、
そこまで聞き取りが悪いわけではない。
早口にならなければ、結構しっかり聞き取れています。
要は、音声情報だけでは処理できず、視覚も活用して相手の顔、
特に口元を見ながらだと会話できる状態。
周囲が騒がしいと途端に困難になってしまう。
このような状態だと、補聴器はどんなに高額なものを買ったとしても
劇的に聞こえが改善することは難しいでしょう。
グレードの高い補聴器なら、外出時に疲労度が少ないとか、
騒がしい環境で多少楽にはなるかも知れませんが、
費用対効果をどこまでご自身が感じられるかが問題。
しかし、これまで「語音明瞭度」(ことばの聞き取り検査)をしたことがなかったとの事。
取り急ぎ今回の結果から、障がい手帳4級に該当する可能性があることを伝え、
役所の福祉課に相談したうえで再度耳鼻科受診して手帳交付の意見書を頂くようお願いしました。
語音明瞭度の測定は結構時間もかかるので、大学病院など大きい施設以外では
最初に依頼しないと実施しないケースもあるかと思います。
補聴器の効果が高くは望めませんが、
つけていた方が会話は楽になると思われました。
手帳が認められれば、次に購入する時の負担が減りますね。
それだけでも、だいぶ気が楽になるはず。
私のところが最後で最善の相談先になってもらえれば光栄です。
当事者の目線で解決策を考えられるよう、常に心掛けたいですね。