新規事業開発のパートナー:コンサルティングの実績とその効果
富士フイルムが銀塩写真の技術を化粧品へ展開した事例を考えてみましょう
ただし、実際には特許を検索して生み出したのではないのですが、このやり方でも生み出せますので示します。
ステップは以下
1.特許から自社のコア技術を抽出し、キーワードとする
2.ターゲットとする分野/領域を抽出(バックキャスティング法も参考にしてください)
3.キーワードを掛け合わせて、特許の検索と読み込み
やってみましょう!
1.
銀塩写真技術のコア技術のキーワードとして、
仮に分散、水溶液、微粒子、コラーゲン etc を挙げます。
検索に用いるだけなので結果に応じていろいろと選定してください。
2.
ターゲットとする分野は「化粧品」です。なぜ化粧品を選んだかというのは、伸びる市場であったという理由です。これもトレンドやバックキャストでいろいろと市場は選べると思います。
3.
特許検索をしてみます。
富士フイルムの販売は2006年頃ですので、2003年以前の特許を検索してみます。
分散☓化粧品だと約6000件の特許が出てきます。
少なくとも化粧品に分散技術が使えることがわかります。
研究者や技術者は「あ!オレの技術が化粧品に使える」とわかるわけです。それだけでも少しやる気が出てきます。
6000件の特許を読み込むのは大変なので、「コラーゲン」のキーワードを加えます。
そうすると52件まで絞られます。
ここで読み込んでいきます。
その時のポイントは、
強みの技術が化粧品分野にどう使われているか?
自社の強みが他社よりもうまく活かせるか?
強み技術でうまく課題解決、良い化粧品ができそうか?
私ならもっとうまく開発できるのでは?
などと想像しながら読み込むことです。
特許の中にズバリの答えはなくても、伸びる市場に自社の強みを活かせるというのがわかれば具体化して考えるべきです。
あくまでも後付の事例ですが、富士フイルムは強みである分散を有効に使って新しい化粧品を開発しているというのを特許の検索から引き出すことができました。
以上のように、特許検索をうまく利用すると新規テーマを考えることができます。