遺言を残す大切さとは?遺言書の種類や作成時の注意点も解説
新型コロナウイルスの感染拡大が原因で、退職を余儀なくされる方があとを絶ちません。中には「退職してほしい」と言われて、自己都合退職せざるを得なかった方もいます。
解雇によって収入が途絶えてしまうと、生活が苦しくなってしまいます。本記事では、新型コロナウイルスが原因で解雇された人や離職せざるを得なかった人が利用できる制度をまとめました。
失業給付(雇用保険の基本手当)
失業給付とは、雇用保険に加入している人が退職した場合に受給できる手当です。失業してしまった人が生活を心配することなく、新しい仕事を1日でも早く見つけられるよう、離職する前の賃金をもとに算出された金額の手当が支給されます。
失業給付が受けられる日数は90〜360日で、年齢や雇用保険の加入期間、離職した理由などによって決まります。
1日あたりの給付額(基本手当日額)は、離職した日の直前6ヶ月で支払われた平均賃金の50〜80%です。平均賃金が低いほど、給付率は高くなります。
また基本手当日額には、以下の通り年齢ごとに上限額が定められています。
- 30歳未満:6,845円
- 30歳以上45歳未満:7,605円
- 45歳以上60歳未満:8,370円
- 60歳以上65歳未満:7,186円
※出典:ハローワーク
※2020年(令和2年)8月1日時点の上限額
なお以下の資格者に該当すると、給付が手厚くなる場合があります。
- 特定受給資格者:倒産や解雇により求職期間が十分に確保できないまま退職した方
- 特定理由資格者:期間の定めがある労働契約が更新されなかったことで離職した方
自己都合退職者は、ハローワークで求職を申し込んでから7日間の待期期間が経過したあと、さらに2ヶ月の給付制限が終わらなければ失業給付を受給できません。
特定受給資格や特定理由資格者は、2ヶ月の給付制限の終了を待つことなく、7日間の待期期間が終了したあとから失業給付を受給できます。
失業給付の受給要件と申請方法
失業給付を受給できるのは、以下1と2の両方に該当する方です。
- 就職する意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても職業に就くことができない「失業の状態」にある
- 離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12か月以上ある
※出典:ハローワーク
失業給付を申請するためには、いつでも就職できる能力が必要です。そのため病気やけが、出産、育児などですぐに就職できない人は、失業給付を申請できません。
なお特定受給資格者または特定理由離職者は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上ある場合でも、失業給付の申請が可能です。
失業給付の申請は、ハローワークで行います。申請の際には、退職した事業所から受け取った「離職票」や「雇用保険の被保険者証」などが必要です。
新型コロナウイルスによる特例
新型コロナウイルスの感染拡大による失業者の増加により、失業給付について以下の臨時特例が実施されています。
◯給付日数に関する特例
所定の要件(※)を満たすと、給付日数が60日延長されます。
※ 35歳以上45歳未満の方で、所定給付日数270日の方
45歳以上60歳未満の方で、所定給付日数330日の方
→ 基本手当の所定給付日数
特定受給資格者:倒産・解雇などの理由により離職を余儀なくされた方
特定理由離職者:①期間の定めのある労働契約が更新されずに離職した者
②転居・婚姻などによる自己都合退職者
地域により取扱いが異なります。
ご不明な点は受給しているハローワーク又は各都道府県労働局にお問い合わせ下さい。
◯受給期間延長の特例
失業給付を受給できる期間は、離職した日の翌日から原則として1年までです。ただし病気やけが、出産などの理由で30日以上職業に就けなくなった日がある場合、受給期間が最大3年間延長されます。
特例により、新型コロナウイルスの感染防止をするためにハローワークの来所を控えた方や、感染が疑われる一定の症状がある方なども、受給期間が延長されるようになりました。
◯特定受給資格者や特定理由離職者の対象範囲拡大
「本人の職場で感染者が発生」「本人もしくは同居の家族が基礎疾患を有する」などを理由に自己都合退職した場合も、特定受給資格者となれる場合があります。
またウイルスに感染した家族の看病や介護が目的で自己都合退職した方や、シフトが減らされてしまったことで離職した方も、特定理由離職者と認定される可能性があります。
新型コロナウイルスの感染拡大にともない、さまざまな特例が実施されているため、解雇された方や、やむを得ず離職した方は、早めにハローワークに相談しましょう。
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