売り手3万件、買い手29万件──M&Aプラットフォームが映す「中小企業のリアル」
「月次試算表は、一応もらっているけれど、
正直、あまり見ていない」
そう感じている社長は、決して少なくありません。
数字が苦手だから。
忙しくて時間がないから。
見てもよく分からないから。
理由はいろいろありますが、
まずお伝えしたいのは、
それだけで会社がすぐにダメになるわけではない
ということです。
多くの社長が、数字から距離を置いてしまう理由
中小企業や家族経営では、
数字に対して、こんな感覚を持ちやすくなります。
* 決算は税理士に任せている
* 試算表は専門家が見るもの
* 数字を見ても、結局どうすればいいか分からない
こうした状態が続くと、
「見ない」という選択が、
いつの間にか 自分を守る行動 になります。
分からないものに向き合うのは、
誰にとっても、少ししんどいからです。
問題は「見ていないこと」ではありません
ここで、ひとつ大事な整理をします。
本当の問題は、
月次試算表を見ていないことそのものではありません。
問題になりやすいのは、
* 数字が分からない
* でも、誰にも聞けない
* だから、判断を感覚だけで続けてしまう
この状態が、長く続くことです。
数字は、正解を突きつけるためのものではなく、
判断の材料にすぎません。
最初から全部、分かる必要はありません
「試算表を理解しなければ」
「数字を読める社長にならなければ」
そう思うほど、
数字から遠ざかってしまうことがあります。
でも、最初にやるべきことは、
理解することではありません。
数字が苦手な社長が、最初に見るべきものは1つだけ
いきなり細かい項目を見る必要はありません。
まずは、
* 今月、手元のお金は増えたのか
* それとも、減ったのか
この一点だけで十分です。
理由は単純で、
会社が続くかどうかは、
最終的にお金が回るかどうかだからです。
数字を見る目的は「反省」ではなく「整理」
数字を見ると、
「できていないところ」
「足りないところ」
ばかりが目に入ってしまうことがあります。
でも、本来の役割は違います。
* 何が起きているのか
* どこが不安なのか
* 何を急がなくていいのか
これを整理するためのものです。
数字を見始めると、次に出てくる悩み
少しずつ数字を見るようになると、
多くの社長が、次の段階で立ち止まります。
「この会社を、
この先どうするべきなのだろうか」
続けるのか。
やめるのか。
そんな問いが、
頭をよぎるようになります。
二択で考えなくていい、という話
「続けるか、やめるか」
この二択で考え始めると、
判断は一気に重くなります。
でも、実際には
その間に、
たくさんの選択肢があります。
次の記事のご案内
数字が少し見えるようになると、
「この会社を、この先どうするか」という
判断の問題に向き合うことになります。
続ける/やめる、
その二択で自分を追い込んでしまう前に、
一度立ち止まって考えてほしいことを、
次の記事でまとめています。



