月次試算表を見ていなくても、会社がすぐにダメになるわけではありません【連載:年の終わりに、心を棚卸しする:第二回】

平岡誠司

平岡誠司

テーマ:経営のモヤモヤをワクワクに(しごと編)

「月次試算表は、一応もらっているけれど、
正直、あまり見ていない」

そう感じている社長は、決して少なくありません。

数字が苦手だから。
忙しくて時間がないから。
見てもよく分からないから。

理由はいろいろありますが、
まずお伝えしたいのは、
それだけで会社がすぐにダメになるわけではない
ということです。

多くの社長が、数字から距離を置いてしまう理由


中小企業や家族経営では、
数字に対して、こんな感覚を持ちやすくなります。

* 決算は税理士に任せている
* 試算表は専門家が見るもの
* 数字を見ても、結局どうすればいいか分からない

こうした状態が続くと、
「見ない」という選択が、
いつの間にか 自分を守る行動 になります。

分からないものに向き合うのは、
誰にとっても、少ししんどいからです。

問題は「見ていないこと」ではありません


ここで、ひとつ大事な整理をします。

本当の問題は、
月次試算表を見ていないことそのものではありません。

問題になりやすいのは、

* 数字が分からない
* でも、誰にも聞けない
* だから、判断を感覚だけで続けてしまう

この状態が、長く続くことです。

数字は、正解を突きつけるためのものではなく、
判断の材料にすぎません。

最初から全部、分かる必要はありません


「試算表を理解しなければ」
「数字を読める社長にならなければ」

そう思うほど、
数字から遠ざかってしまうことがあります。

でも、最初にやるべきことは、
理解することではありません。

数字が苦手な社長が、最初に見るべきものは1つだけ


いきなり細かい項目を見る必要はありません。

まずは、

* 今月、手元のお金は増えたのか
* それとも、減ったのか

この一点だけで十分です。

理由は単純で、
会社が続くかどうかは、
最終的にお金が回るかどうかだからです。

数字を見る目的は「反省」ではなく「整理」


数字を見ると、
「できていないところ」
「足りないところ」
ばかりが目に入ってしまうことがあります。

でも、本来の役割は違います。

* 何が起きているのか
* どこが不安なのか
* 何を急がなくていいのか

これを整理するためのものです。

数字を見始めると、次に出てくる悩み


少しずつ数字を見るようになると、
多くの社長が、次の段階で立ち止まります。

「この会社を、
この先どうするべきなのだろうか」

続けるのか。
やめるのか。

そんな問いが、
頭をよぎるようになります。

二択で考えなくていい、という話


「続けるか、やめるか」
この二択で考え始めると、
判断は一気に重くなります。

でも、実際には
その間に、
たくさんの選択肢があります。

次の記事のご案内


数字が少し見えるようになると、
「この会社を、この先どうするか」という
判断の問題に向き合うことになります。

続ける/やめる、
その二択で自分を追い込んでしまう前に、
一度立ち止まって考えてほしいことを、
次の記事でまとめています。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

平岡誠司
専門家

平岡誠司(小規模事業者向け経営支援家)

株式会社平岡商店

経営者の実践経験を活かし、経理の見える化・日繰り・在庫管理を軸に、家族経営の経営管理の仕組みづくりを実行支援します。現場の気づきを経営判断につなげ、“らしさ”をいかした経営を一緒に育てていきます。

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

小規模事業者の“頼れる世話役”的経営コンサルタント

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ神奈川
  3. 神奈川のビジネス
  4. 神奈川の経営改善・資金繰り
  5. 平岡誠司
  6. コラム一覧
  7. 月次試算表を見ていなくても、会社がすぐにダメになるわけではありません【連載:年の終わりに、心を棚卸しする:第二回】

平岡誠司プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼