資金繰り表は“試合の予告先発”。freeeで未来の展開を描く「家族経営の経理コーチング(夏休み特集⑤)」
冬になると、不安が大きくなるのは自然なことです。
家族経営の冬は、いつもより支払いが重なり、
売上が落ち着く業種も多く、
お金の動きが急に読みにくくなります。
「この冬を乗り越えられるだろうか…」
そんな不安が心のどこかに広がるのは、決して特別なことではありません。
また、後継者の方にとっては、
現場の仕事を覚えながら経営にも関わる必要があり、
「どこから手をつければいいのか」
と迷いが大きくなる季節でもあります。
でも、その不安の原因は、
「数字に弱いから」「経理を知らないから」ではありません。
ただ単に、
お金の出入りが “見えないまま” になっているだけ。
冬は、特にそれが起こりやすい季節なのです。
家族経営の資金繰りは、“会社のお金の家計簿” で整う。
家族経営のお金は、
立派な帳簿や専門的な管理よりも、
家計簿の感覚で見える化するほうが圧倒的にわかりやすい。
これは、後継者がこれから経営を学んでいく上でも非常に大きな助けになります。
難しい数字や分析の前に、
「毎日の流れを自分の目で見ること」
ここから自然に経営の感覚が育っていきます。
そして、会社のお金を家計簿のように扱える道具が
「日繰り表」 です。
家族経営では、
会社と家庭が地続きで、
台所の延長線上に“商い”があります。
だからこそ、
日々の入出金を小さく書くだけで、
お金の全体像が驚くほど見えてくるのです。
難しい知識は必要ありません。
* 家計簿をつけたことがある
* 日々の生活費をやりくりしてきた
* 細かい分類は苦手
こうした経験が、経営の入口として大きな力になります。
後継者と家族が、自分たちの歩みを理解する道具としての日繰り。
後継者は、多くの場合「現場」が優先されます。
日々の業務、忙しさ、人手不足──
そんな中で経営の数字まで一度に理解するのは難しいのが普通です。
そこで役に立つのが、家族による“分担の仕方”です。
たとえば、
現場が忙しい後継者に代わって、
家族が日繰りを少しずつつける。
そして、
会社のお金が「どう動いているか」
「どんな流れになっているか」
を一緒に見ていく。
それだけで、後継者は
“自分の会社がどう育っているのか”
を自然と理解できるようになっていきます。
決して難しい勉強から始める必要はありません。
家族の歩みを、台所の延長で見える形にすること。
それが、後継者が経営を学ぶ最もやさしい入口になります。
日繰りで整える、家族経営の台所。
台所では、
「今月どれだけ残っているか」
「何にどれだけ使ったか」
「どこまで足りるか」
を自然に考えます。
実はこれと同じことが、
家族経営の資金繰りにもそのまま使えるのです。
* きょう入ったお金
* きょう出たお金
* 今日の残り(のこる)
この “はいる・でる・のこる” を並べるだけで、
冬の不安は一気に軽くなります。
専門的な帳簿も、仕訳も必要ありません。
家庭の家計簿と同じ位置づけで、
台所の延長として扱えば十分なのです。
日繰りを家族で共有すると、「次の一歩」がそろう。
家族経営の強さは、
家族が同じ方向を向いたときに最大化します。
日繰りはそのための “共通言語” になります。
* いま何が起きているのか
* あと何日もつか
* いつまでに何をどれだけすればいいのか
* どの支払いを先に考えるべきか
日繰りの画面やノートを囲むだけで、
家族の会話は驚くほどスムーズになります。
冬は気持ちがすれ違いやすい季節。
だからこそ、
日繰りという“小さな家計簿”が家族経営を優しく支えます。
後継者にとっても、
日繰りは「会社の歩みを自分の目で理解する」ための大切な手がかりになります。
書き方の具体例やテンプレートは、まとめ記事に置いています。
「どこに書けばいい?」
「どう分類すれば?」
「色分けは?」
といった実務的な部分は、
平岡商店のまとめ記事 「経理をワクワクに」 に整理しています。
(←左のサイドバーにあります)
「読んでみたけど分からない」「これで合っているのか不安」な場合は
問い合わせページからご連絡ください。
次回(第2回)予告
日繰りは家計簿と同じ。
――家族経営の冬に効く“やさしい3つの書き方”
最後に。
冬の資金繰りは、不安を抱えたままでは重くなってしまいます。
しかし、家計簿感覚で “見える形” にすれば、
その不安は必ず軽くなります。
後継者にとっても、
家族にとっても、
日繰りは小さな一歩から始められる“経営の入口”です。
あなたの台所で、今日から始めてみませんか。



