日繰りが「冬の資金計画」になる。 ーー無理なく続く、家族経営の未来の整え方(日繰りで整える、家族経営の台所(第6回))

平岡誠司

平岡誠司

テーマ:経営のモヤモヤをワクワクに(おかね編)

家計簿感覚でできる、冬の資金繰り。― 日繰りで整える、家族経営の台所(第6回)

日繰りは最初、
「今日のお金の動きを記録するもの」として始まります。

しかし続けていくうちに、
ただの記録が「未来の見通し」をつくる道具へと変わっていきます。

これは、家計簿を続けているうちに
来月のやりくりが自然と予測できるようになる感覚と似ています。

日繰りは、
家族経営の冬の不安を“計画に変える”ためのやさしい土台です。

1. 計画は「未来を当てること」ではなく「備えること」

資金計画と聞くと、
先を正確に予測するイメージを持つかもしれません。

しかし家族経営において大切なのは、
「正確に当てること」ではなく、
「備えられる状態をつくること」です。

日繰りを続けていると、次のような気づきが生まれます。

・この時期は支払いが多くなる
・この取引先の入金はいつも数日遅れがち
・冬は家計との行き来が増える
・来月の山場はだいたいこの辺り

こうした“気づきの積み重ね”が、
家族経営に最も合った資金計画の基礎になります。

2. 日繰りの残高欄が、そのまま「未来の地図」になる

日繰りには必ず「残り(のこる)」を書きます。

これは単なる残高ではなく、
未来に向けて自分を安心させるための数字です。

例えば、

・今の残高で何日もつか
・支払いの山場までどれくらい余裕があるか
・どのタイミングで補助が必要か

こうした判断が、
記録を見返すだけで自然とできるようになっていきます。

計画は、特別な表をつくる必要はありません。
日繰りの中にすでに“答えのヒント”が入っているのです。

3. 先のページ(未来欄)を作るとさらにラクになる

ノートでもExcelでもよいので、
未来のページを軽くつくっておくと、
日繰りはより計画的になります。

・来週の支払い
・来月の大きな支払い
・入金予定
・家計との調整予定

これを未来ページに書いておくだけで、
冬の判断は格段に軽くなります。

「未来を書くのは難しそう」と思われがちですが、
実際には“書ける範囲だけ”で十分です。

無理なく続く計画のコツは、
「わかる範囲だけ先に書く」ことです。

4. 日繰りが育つと、冬の不安が「準備」に変わる

お金の流れが見えるようになると、
不安を漠然と抱え込むことがなくなります。

・この日は少し厳しそうだ
・ここが山場になる
・この支払日の前後で調整しよう

そうした調整が前もってできるようになると、
冬の資金繰りは“乗り越えるだけの時期”ではなく、
“次の季節につなげる準備期間”として意味を持ち始めます。

日繰りが計画へ育っていく過程は、
家族経営をやわらかく支える大切な力になります。

5. 無理なく続く理由は「家計簿と同じ仕組み」だから

大規模な経理システムや複雑な管理表ではなく、
はいる・でる・のこる、という家計簿と同じ構造で進むからこそ、
日繰りは負担なく続けられます。

続けられるということは、
冬の資金繰りを“毎年少しずつ改善していける”ということ。

すぐに劇的に変わらなくても、
続けることで見える景色が変わっていきます。

具体的な工夫は平岡商店サイトのまとめ記事で紹介しています

未来ページの作り方や、Excelでの調整表づくりなど、
より具体的な内容は平岡商店サイトのまとめ記事「経理をワクワクに」で整理しています。

「読んでみたけど分からない」「これで合っているのか不安」という場合は、
お問い合わせページから気軽にご連絡ください。

次回(第7回)

日繰りを“家族経営の共通言語”にする。台所から始まる、やさしい経営の形

\プロのサービスをここから予約・申込みできます/

平岡誠司プロのサービスメニューを見る

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

平岡誠司
専門家

平岡誠司(小規模事業者向け経営支援家)

株式会社平岡商店

経営者の実践経験を活かし、経理の見える化・日繰り・在庫管理を軸に、家族経営の経営管理の仕組みづくりを実行支援します。現場の気づきを経営判断につなげ、“らしさ”をいかした経営を一緒に育てていきます。

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

小規模事業者の“頼れる世話役”的経営コンサルタント

  1. マイベストプロ TOP
  2. マイベストプロ神奈川
  3. 神奈川のビジネス
  4. 神奈川の経営改善・資金繰り
  5. 平岡誠司
  6. コラム一覧
  7. 日繰りが「冬の資金計画」になる。 ーー無理なく続く、家族経営の未来の整え方(日繰りで整える、家族経営の台所(第6回))

平岡誠司プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼