後継者は数字で語る──事業を深く知る力【継ぐ人のための経営ノート③】
はじめに
家族経営を継ぐ後継者のために、日繰り・在庫管理・数字の見える化を軸に、
“現場と数字をつなぐ経営”をやさしくお届けします。
日繰りは「会社の鼓動」
日繰りは、
後継者が 会社の心臓の動きに直接触れられる一番やさしい方法 です。
- 売上が入る日
- 支払いが重い日
- 残高が減るリズム
- 不安が強まるタイミング
ふっと安心が戻る瞬間
これらは決算書には現れません。
税理士は数字の“結果”を見るプロですが、
日繰りという “日々の鼓動” は、後継者にしか感じ取れないもの です。
会社の中心部は、
毎日の入金と支払いの動きでできています。
だからこそ、
日繰りをつけることは “会社の体温を毎日そっと確かめる行為” なのです。
まずは「1行」からで十分
完璧に記録する必要はありません。
- 今日の残高
- 今日の入金
- 今日の支払い
この3つだけで、
会社の鼓動ははっきりと聞こえてきます。
続けるほど、
- 不安の理由
- 資金のクセ
- 親が守ってきた支払い順
- 現場のリズムの歪み
が、自然と見えてきます。
後継者の方へ
今日、会社の“鼓動”はどんな音がしていますか?
- 残高が落ち着いてきた
- 支払いが重くてドキッとした
- 予想外の入金で少し安心した
- 明日の支払いが気になっている
まずは、
今日と明日の “1行だけ”
書いてみてください。
それだけで、
会社の中心が少しずつ手に取るように分かってきます。



