在庫管理と経営者の“見る力”——数字に出ない違和感を捉える【信頼を生む在庫管理:小さな習慣が会社を変える④】
倉庫の乱れは、利益の漏れ
ある食品製造業の企業から、「在庫管理を見直したい」というご相談をいただきました。従業員30名以下、年商規模10億円未満の家族経営企業です。豪雨災害をきっかけに、原価改善と経営体制の再構築を目指す中で、現場の混乱が業績に影響していることに気づかれたそうです。
現場に入ってみると、倉庫は雑然とし、動線に無駄が多く、在庫の把握が曖昧な状態でした。モノの置き場が定まらず、探す時間が増え、ミスがミスを呼び、利益が目に見えないところで零れ落ちていく──まさに「在庫が会社の腰を支えていない」状態でした。
在庫は“腰”──会社の動きを支える要
在庫は、会社の“腰”にあたります。目立たないけれど、全体の動きを支える重要な存在です。腰が不安定だと、どんなに腕力があっても力が入らない。会社も同じで、在庫が整っていないと、営業も製造も経理も、すべてが不安定になります。
「うちは仕入が少ないから」「在庫はちゃんとやっているから」と安心されている企業もありますが、実際には在庫の管理が曖昧なまま進んでいるケースが少なくありません。在庫は単なる数字ではなく、会社の動きそのものを映す鏡です。
現場で“見える化”──人・モノ・数字の動きをつなぐ
平岡商店のビジネスストレングスコーチングでは、会議室ではなく、実際の倉庫や工場など“現場”で支援を行います。今回も、経営者や後継者が普段足を運ばない現場に入り、社員やパート、アルバイトの皆さんと一緒に業務の流れを確認しました。
支援の中心は、「人・モノ・数字」の動きを“見える化”すること。誰が、何を、どこで、どう動かしているのか──その流れを図解し、在庫の受け払いを日次・月次で照合する技法を導入しました。改善策は現場で実践できるように設計し、優先順位のつけ方や進捗管理の方法も一緒に整理しました。
支援の成果──倉庫が整えば、利益が戻る
支援後には、現場の動きが明らかに変わりました。倉庫の動線が整理され、在庫の把握精度が上がり、ミスが減少。社員の皆さんも「何をすればいいか」が明確になり、業務の無駄が減っていきました。
支援機関からも、「在庫管理に重点を置いた支援内容だった」「銀行への業績説明に役立つ助言があった」「支援先の体制を立て直したいという熱意が伝わってきた」といったフィードバックをいただきました。現場の変化が、経営者の意識と社員の動きに連動していく──その手応えを感じる支援となりました。
利益管理の“要”としての在庫
診断や評価だけでは会社は動きません。「分かっているけど動けない」──その葛藤を最も強く感じているのは、現場で働く社員やパートの皆さんです。だからこそ、経営者自身が現場に立ち、在庫という“腰”を支えることで、会社全体が動き出します。
在庫は、利益管理の“要”です。人間の身体でいえば“腰”にあたる──目立たないけれど、全体の動きを支える中心です。現場に寄り添い、数字と人をつなぐ支援。それが、平岡商店のビジネスストレングスコーチングの原点です。
倉庫管理から会社を立て直したい方へ
「在庫はちゃんとやっているつもりだけど、利益につながっていない」「現場の動きが見えない」──そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。平岡商店では、現場に入り、数字と人の動きをつなぐ支援を行っています。
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