“ひとり経理”から“家族経理”へ。日繰り表を共有する意味(家族経営の経理コーチング⑪)

平岡誠司

平岡誠司

テーマ:経営のモヤモヤをワクワクに(おかね編)

家族経営では、経理を“ひとりで抱える”ことが多くあります。
「自分しかわからない」「説明しても伝わらない」
そんな孤独感を抱えている方も少なくありません。

でも、日繰り表は“共有”することで、安心感と協力体制が生まれます。
数字が苦手な家族にも、色分けされた日繰り表なら伝わりやすい。
「見える化」は、社内の信頼構築にもつながります。

たとえば、毎週1回、家族で日繰り表を見ながら「今週はどうだった?」と話す。
それだけで、経営の意識が自然と高まります。
「今月は仕入れが多かったね」「来週は入金があるから安心だね」
そんな会話が生まれることで、経理は“共有の言語”になります。

また、共有することで「続ける理由」が増えます。
自分のためだけでなく、家族の安心のために記入する。
それは、経理を“信頼のツール”に変える第一歩です。

さらに、家族が経理に関心を持つことで、経営の意思決定もスムーズになります。
「このタイミングで設備投資しても大丈夫?」
「来月の支払いに備えて、今月は節約しよう」
そんな判断が、数字をもとに話し合えるようになります。

日繰り表は、単なる記録ではなく、家族経営の“対話の土台”です。
次回は、日繰り表を続けることが、銀行や取引先との信頼につながる理由をお話しします。
社内の共有が、社外の信頼へとつながっていくのです。

数字が苦手でも、簿記、経理、会計の未経験者でも大丈夫。
勘定科目も、難しい言葉も、複雑な数字の羅列もありません。
ひらがなだけで作る、ビジネス会計要素を取り入れた家族の対話ツールです。

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平岡誠司
専門家

平岡誠司(小規模事業者向け経営支援家)

株式会社平岡商店

経営者の実践経験を活かし、経理の見える化・日繰り・在庫管理を軸に、家族経営の経営管理の仕組みづくりを実行支援します。現場の気づきを経営判断につなげ、“らしさ”をいかした経営を一緒に育てていきます。

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