訪問介護事業を成功させるための、必要な準備
デイサービスは日帰りでリハビリを受けたり、食事や入浴などのサービスを利用できたりする介護サービスです。
開業あたって知っておきたい指定基準や資金調達について見てみましょう。
デイサービスとは、、、
デイサービスは通所型の介護サービスです。要介護状態の利用者が日帰りで通い、機能訓練(リハビリ)、食事、レクリエーション、入浴、健康チェックなどの介護サービスを受けることができます。デイサービスセンターや特別養護老人ホームなどの福祉施設で受けられるサービスです。
体操やマシントレーニングを使ったリハビリに特化したデイサービス、半日の利用で入浴に特化したデイサービス、認知症の方を対象とするデイサービスなど、各施設がそれぞれに特徴を打ち出して運営しています。
デイサービスの目的は、利用者の心身機能の維持・向上、そして、できるだけ自分で日常生活が行えるようになることにあります。
また、利用者がデイサービスを受けている間は、利用者の家族にとって、負担の大きい介護の中で一息つける休息時間になります。この点を考えればデイサービスは利用者と自宅で介護にあたる家族双方をサポートするサービスと言えます。
開業するために必要なこと
デイサービスを開業するためには、まず法人であること、そして、介護事業者として指定(許可)を受ける必要があります。この指定を受けるためには、人員・設備・運営の「指定基準」を満たさなければなりません。そのうえで申請書を提出します。
東京都の場合、事業所の利用定員が19名以上であれば提出先は都(提出先:公益財団法人東京都福祉保健財団)になります。
利用定員19人未満の小規模デイサービス(地域密着型通所介護)の場合、事業所所在地の区市町村になります。
なお、デイサービス開業にあたっては「ビジネス」という視点で検討する必要があります。まず、どのような特徴を持った事業所にするかを検討しましょう。デイサービスは需要の高い介護サービスですが、デイサービスを開業すれば利用者が集まり、安定した運営ができるというものではありません。独自のサービス・特徴を打ち出す必要があります。
そして、立地です。どこに事業所を開設するかを検討しましょう。つまり、利用者が見込める地域を選定するということです。例えば飲食店を開業する前に「商圏」を調べるのと同じです。
その地域の65歳以上の人口、事業所の数、競合となる事業所の特徴など情報収集に努めましょう。市町村のホームページや広報紙、各市の介護保険協議会の一般向けの発表なども参考になります。
指定基準に対する準備
デイサービス開業に必要な「指定基準」とは、人員基準について言えば、看護職員(看護師又は准看護師)を専従で1人以上、機能訓練指導員(理学療法士、作業療法士など)を専従で1人以上などが決められています。
設備基準としては、食堂および機能訓練室について、それぞれ必要な広さを有し、その合計面積は3㎡に利用定員を乗じて得た面積以上。つまり、利用者が19名であれば57㎡以上ということになります。
運営基準としては、利用者に対するサービスの提供内容および手続きの説明および同意、通所介護計画の作成および利用者の同意、といったことが定められており、人員・設備・運営、いずれの指定基準も満たさなければなりません。
そして、こうした準備を整えて開業のための申請書を提出することになります。
申請書には、就業規則の写し、組織体制図、資格証の写し、雇用契約書の写しまたは誓約文など添付書類も多く、介護事業に精通した専門家の力を借りることをおすすめします。
また、デイサービスの管理者(または法人代表者)は新規指定前研修の受講が必要です。
デイサービス開業にかかる費用や開業の資金調達方法
デイサービスの開業は訪問型のサービスと異なり、広いスペースが必要になりますし、利用者の送迎に際して必要な駐車スペースも考えなければなりません。また、大規模なリフォームが必要になる場合もありますから、その改装費も考える必要があります。
そのほか、事務室、事務に必要な備品、入浴に特化した場合、浴室は安全に介護できる広さが求められますし、入浴を介助するリフトなど、介護入浴機器なども必要です。
さらに、介護保険事業の仕組み上、介護報酬を受け取るまでの最初の3カ月は収入がないことになりますから、その間の人件費を用意しなければなりません。
資金調達については、銀行や信用金庫から融資を受けることも考えられますが、国が100%出資している金融機関である日本政策金融金庫から融資を受ける方法があります。日本政策金融金庫から融資の受ける際も審査があり、審査に通る説得力を持った事業計画書が必要になります。
事業計画書の作成についても、申請書の作成同様、介護事業に精通した専門家の力を借りて整えていくのがよいでしょう。