トイレに閉じ込められるという“想定外” ― シニア世代の暮らしを守る住まいの点検ポイント

弘瀨美加

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テーマ:シニア世代の心身の特性に配慮した整理収納




最近、SNSを見ていると
「自宅のトイレに閉じ込められてしまった」という投稿を、私の周囲でよく目にするようになりました。
いずれも、悪意や特別な出来事があったわけではなく、
原因の多くは、トイレのドアの鍵が壊れて開かなくなったというものです。

実は、ずいぶん前になりますが、
私のお客様の中にも、同じような経験をされた方がいらっしゃいました。
その日は、私が整理収納のサポートに伺う日でした。
玄関でインターフォンを鳴らすと、インターフォンからではなく、
別の場所から私を呼ぶ声が聞こえます。
慌てて声のする方へ向かうと、
トイレの鍵が勝手にかかってしまい、2時間以上も中に閉じ込められているとのことでした。
ご本人の了承を得て、何とか家の中に入り、トイレの鍵を壊して無事に救出することができました。
大事に至らず本当に良かったのですが、もし、誰も訪ねて来る予定がなかったら……
そう考えると、今でも背筋が寒くなります。

高齢の方に限らず、
自宅のトイレに入る時、わざわざスマートフォンを持って入る方は多くありません。
連絡手段がない状態で閉じ込められる可能性は、誰にでも起こり得ることなのです。

以前にも何度か書きましたが、なぜ、トイレの鍵は勝手にかかるのか
主な原因として、次のようなものが挙げられます。

■内部部品の経年劣化
 ドアノブや鍵の耐用年数は一般的に10〜15年程度。
 内部のラッチやバネが摩耗・破損すると、衝撃で勝手に施錠されたり、逆に開かなくなったりします。

■サムターン(内鍵)の緩み
 内側のつまみを固定するネジが緩むと、ドアを閉めた振動で自重により回ってしまうことがあります。

■ドアの閉め方や操作の不備
 強く閉めた衝撃や、鍵を「開けたつもり」の中途半端な操作が誤作動を招くことがあります。

■建付けの歪み
 地震や経年による歪みで、ラッチが受け皿に正しく収まらず、開かなくなることがあります。

万が一、誰かが閉じ込められてしまったら
多くのトイレのドアノブには、外側からコインやマイナスドライバーで回せる非常解錠装置が付いています。
落ち着いて、くぼみに10円玉などを差し込み、回してみてください。

内部から開かない場合でも、
ドアの隙間に硬いカードやトイレットペーパーの芯を差し込み、ラッチを直接押し込むことで開く場合もあります。

しかし、何より大切なのは「予防」
今現在、少しでも「動きが悪い」「引っかかる気がする」と感じたら、
完全に壊れる前にドアノブや鍵の交換を検討することをおすすめします。

特に一人暮らしの方は、
・トイレにスマートフォンを持ち込む
・ドアを完全に閉めきらない工夫をする
といった、ささやかな対策も有効です。

安心して、今日も明日も暮らせる住まいを整えること。
そんな視点で、住まいの「当たり前」を、今一度見直してみませんか。



シニア世代の心身の特性に配慮した整理収納・comfy living


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弘瀨美加
専門家

弘瀨美加(講師)

comfy living

在宅介護経験者だから伝えられる実践的な整理収納スキルに強み。高齢者の心身の特性に配慮した収納のテクニックで安全で安心な住環境の整え方を提案。介護する人される人、双方の気持ちの負担も軽くなるよう努める。

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