先を見据えての備え

「家の中のモノを減らしてスッキリ」というようなことが
世間的にも良いとされているかのように思えますが、
心の変化と戦っている高齢の方には、
家の中を片づけないとと思ってはいるけれど、
若い頃のようには出来なくて・・・と自覚しているだけに
それがかなり気持ちの負担になっていると仰る方も多いのです。
年を重ねると、身体の変化によって老いを実感し、
できなくなってしまったことが増えていく不安を感じるなど
心にも変化が表れてきます。
しかし、その変化を受け入れるのには
直ぐにとはいかず時間がかかるものなのです。
若くても、新しい環境に馴染むまでは、
普段どおりにはいかず時間って必要ですよね?
年を重ねた高齢の方ともなれば、
「老い」とによる心身の変化という
自分にとって初めての経験を受け入れて
適応するのは、とても大変なのです。
なので、子世代が老いた親に自分のペースや価値観で、
やいやいと片づけをするように言うのは、
親を思ってのことだとしても、あまり良い事とではありません。
「時間がかかるから」と子が片づけてしまったり、
「こんなの捨てちゃうよ」などと、
一方的にモノの処分を決めてしまったりすることは、
親の住環境や、生活のリズム、日常の習慣を
子が勝手に変えることになるので、
親にとってストレスになってしまいます。
高齢の方の住まいの片づけをする時には、
これまでの習慣を変えない、
意思決定は親御さんに委ねる、
親御さんのペースにあわせることが大切です。
子世代にとっては、自分が思っているより
かなりのペースダウンになると思いますが、
その分、親御さんと一緒の時間を楽しむ気持ちで、
片づけをしながら、
「心の変化」と戦っている親御さんに
寄り添って差し上げて下さい。



