生きる気力=人と関わること
お客様が、来年、
手術をすることになりました。
難病を抱えながら、
今年、5月から
月に2度ほどのペースで、
家の中のモノの整理を
私と一緒に行っていましたが、
徐々にお薬の効きが悪くなり、
夏、秋と季節が流れていくにつれ、
一緒に作業を出来る時間が、
3時間から2時間、1時間と短くなり、
今回の手術を決意されたようです。
病気の進行を考え、
『少しでも家の片づけしておこう』
と思っておられただけに
手術の為の片付けの中断は、
『志半ばで、こんなことになるなんて…』
と、とても残念そうでした。
今の時点の作業の段階は、
まだ、第一段階。
その日のお客様の体調に合わせて、
モノの仕分けをしながら、
出し入れしやすいように
モノを収納している最中でした。
その作業の途中で、
お薬が効き目が切れて、
お客様から
『動けなくなっちゃった。ごめんなさいね。』
という言葉を何度も聞きました。
その度に、
ご自分では、どうにもならない事だから、
悔しい思いをされているのだろうなと、
『気にしないで下さい。』
と笑顔で答えながら、
お客様のお気持ちを思うと
病気に対する悔しさで、
私の心も泣いていました。
病気の進行具合の予測は、
ご本人であっても難しい。
まだ先の事と思っていても、
自分が知らないところで、
進んでいることもある。
自分だけでは、
心身の状態もあって、
しようと思っていても、
重い腰があがらなかったので、
私の存在を
もう少し早く知ることが出来ていたら、
『家の中の片付けも、
もっと出来ていていただろうに。』
とお客様はよく仰って下さいます。
しかし、今回の手術は、
お薬の効き目を良くするためのもの。
無事に手術が終わって、
その後の経過観察をクリアし、
退院できれば、
『これまでより、
片付けの作業が出来るようになるから、
それまで、待っていて下さいね。
必ず連絡しますから。』と、
手術前の不安な中、
お客様が前向きな気持ちを
持って下さっているのが、
私にとっては、とても嬉しいことです。
私にお気づかいなく、
焦らず、ゆっくり、じっくり、
体調を整えていただきたいです。
モノの仕分けをしながら、
これまでの人生を振り返っての
色んなお話の中から、
人生の勉強は勿論の事、
介護される側の気持ち、
介護する側の気持ち、
ご夫婦の絆など、
沢山の事を教えて下さったお客様の
作業再開を楽しみにお待ちしています。
冬を越えれば、春が来ます。
高齢者の心身の変化に配慮した整理収納・comfy living