我家が第二の実家になった時

弘瀨美加

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テーマ:高齢者の整理収納



先日、あるオレンジカフェ主催で、
あるある笑女隊として
『漫才風セミナー』をさせていただきました。
お陰さまで、カフェの中が人でいっぱいになり、
その半数以上が、今回、初めて来られた方で、
主催者様にも喜んでいただけました。
参加して下さった方々からも、
『笑うことで、頭に入りやすいと思った』
『あるある話は、自分の事と重なって分かりやすい』
『自分も少しでも早く実行しなくてはと気がついた』
などなど、嬉しいお言葉をいただきました。



セミナーが終わってから、
参加者の皆さんとのお喋りタイムで、
奥様の介護をされている男性の方が、
ご自分の今の思いを私に話して下さいました。
現在、奥様は介護施設に入居されていて、
月に1度、ご自宅に帰って来られているのだそうですが、
『ずっと自分の家で暮らしたい』と奥様は言われので、
『ここ(自宅)は、第二の実家で、
独立して今は他に住んでいると思えば良い』
と言っていると仰っていたけれど、
奥様の気持ちが分かるだけに
この方も辛い思いをされているようでした。
少しでも奥様が帰って来た時に快適に過ごせるよう、
車椅子を使う奥様の為に
ご自宅をバリアフリーにされたそうですが、
自宅内を車椅子で行き来するための
動線を確保するには、段差の解消だけでなく、
今まで家の中にあったモノを
処分しなければいけないとわかり、
お子様と作業をしてるのだそうですが、
奥様のモノは、今現在、
使ってない事は明らかであっても
処分出来ないのだそうです。
お子様達は、あれもこれも処分しようと
奥様に言うのだそうですが、
奥様は首を縦に振らず、
結果、親子で衝突をしてしまい、
その間にたたされるのが、この男性なのだそうです。
なので、セミナーで話した
『少しでも元気なうちから自分で整理をする』というのは、
やっておかなければいけない事だと仰って下さいました。



施設に居られても、
ご自宅にある奥様のモノは奥様のモノ。
それらがなくなっていく事は、
第二の実家(ご自宅)での
居場所がなくなってしまうような
お気持ちになれるのではないかと思います。
一方、奥様を囲む家族は、
奥様の事を一番に思っているのに
気持ちのすれ違いが生じてしまいます。
たかが『モノ』なのですが、
それには、自分を取り巻く人の思いもくっ付いてきます。
ご自分の為にも
ご家族の為にも、
少しでも心身の負担が軽くなる様に
処分するものを探すのではなく、
元気なうちから、
今の暮らしや、
これからの人生に必要なモノを
選び取る作業をされてみませんか?

高齢者の心身の変化に配慮した整理収納・comfy living

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弘瀨美加
専門家

弘瀨美加(講師)

comfy living

在宅介護経験者だから伝えられる実践的な整理収納スキルに強み。高齢者の心身の特性に配慮した収納のテクニックで安全で安心な住環境の整え方を提案。介護する人される人、双方の気持ちの負担も軽くなるよう努める。

弘瀨美加プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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