究極のプライベートを守りたい ~トイレライフ~

弘瀨美加

弘瀨美加

テーマ:高齢者の整理収納



片付け作業をしていると、
『夜中に4~5回トイレに起きるのだけれど、
寝室からトイレまでが暗くて、
また、転んでしまわないかと怖いの。』
と、お客様がボソッと言われました。
この方の寝室からトイレまでは、
私だと歩いて20歩ほど、
それも、廊下を真っ直ぐなのですが、
両手に杖がないと歩行が出来ないこの方にとっては、
そこまで行くのが、とても大変な事なのです。
なので、今は、転ばないように
廊下を這って、夜中のトイレに行っているのだとか。
その姿を先日、お子さんに見られた事が、きっかけで、
オムツに排泄する事は自分には出来ないし、
寝室にポーターブルトイレを置く事を考え始めたそうなのです。
けれど、排泄物を自分でトイレに持って行く事は困難だけれど、
それを連合いさんにしてもらう事は、
負担をかけてしまうので申し訳ないし、
できることなら人の手は借りたくないと
強く思ってらっしゃいます。
人間の営みで基本的なことである排泄。
しかし、それは、とてもデリケートな部分でもあります。
いわば、究極のプライベート。
この方だけなく誰しも、
例え介護が必要になっても排泄は自分の力で済ませたい。
と思いますよね。



こんな話を私にするという事は、
誰にも相談できずに随分悩まれているのだなと
ぐっと来るものがありました。
(お子さんが同性でない事もあるのでしょうけれど)
そこで、私が介護をしていた時に
少しでも負担を少なくしようと、
ポータブルトイレの中のバケツに
尿パッドを敷いていた事をお話しました。
パッド代はかかりますが、そうすることで、
洗っても移ってしまうバケツのニオイ対策にもなるし、
通常は、パッドを取り替えるだけで、
後の処理は済むので楽だったのです。
(この方の場合も、液体がパッドに吸収されるので、
人の手を借りなくても、ご自分で後処理が出来ますし。)


*今は、こんな便利な物があるようです。 → ポイレット

私の話を聞いて、
『こんな事まで、
人の手を借りないと出来ないのかと思うと
子供が結婚するまでは頑張らないと
と思っていたけれど、
それも、もう・・・って諦めてました。
けど、良い事教えて貰えたので、
また、頑張れる気がする。』
と言って下さいました。
自分の負担を軽くしようとしていたことが、
思わぬところでお役にたって、
まだ、自分の力で出来ると、
前向きな気持ちになってもらえて良かったです。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

弘瀨美加
専門家

弘瀨美加(講師)

comfy living

在宅介護経験者だから伝えられる実践的な整理収納スキルに強み。高齢者の心身の特性に配慮した収納のテクニックで安全で安心な住環境の整え方を提案。介護する人される人、双方の気持ちの負担も軽くなるよう努める。

弘瀨美加プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

高齢者に安心・安全な暮らしを届ける住環境サポーター

弘瀨美加プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼