『モノはそこらじゅうにある。だけど、つながりがない。』

弘瀨美加

弘瀨美加

テーマ:高齢者の整理収納



以前にも、ブログに書きましたが、
『モノはそこらじゅうにある。だけど、つながりがない。』
という、この言葉を知ってから、ずっと、頭の隅にあります。
この言葉は、岩手の奥州で開催されたワークショップ「奥州でワールドカフェなう!」で、
年配の参加者の方が
『日本は豊かになって東京でも田舎でも、モノはそこらじゅうにあふれるようになった。
でも、豊かになればなるほどつながりがなくなっていった。 
地域のつながりも、家族のつながりも。』
(*Learn by doing より)http://learnbydoing.jp/
と言われた事を要約されたものなのですが、腑に落ちませんか?
私が子供の頃は、TVは、一家に一台しかない家庭がほとんどだったので、
チャンネル争いなんて言葉があって、家族で見る番組を取り合ったりしてました。
それに『砂糖が足りへんなったから、ちょっと貸してくれへん?』とか
『ちょっと、ミシン貸してもらえへん?』てな具合に
ご近所間で、モノの貸し借り等も良くされていましたが、
今は、深夜まで営業しているお店やネット通販も沢山ありますし、
昔は高価だったモノの値段も、手が届く価格になってるモノも多いので、
ご近所に借りるより、『ない⇒コンビニorネット通販』という事が一番に頭に浮かびます。
そんな事から、個人でも沢山のモノを持っている時代になりましたが、
人との繋がりというのは少なくなってるように思えて、
たかが『モノ』でも、コミュニティには、重要な役割があるのでは?と
自分が子供の頃の暮らしと、今、現在の暮らしを比較してみると、
『モノはそこらじゅうにある。だけど、つながりがない』
という言葉から考えさせられるのです。


話がそれるかもしれませんが・・・。
私は主に高齢者の方の住環境を整えるという仕事をしておりますが、
もう、既に家には、いっぱいあって買い足す必要がないモノだろうに
それでも、週に何度かは、それを買ってきて、
そのまま家の中に放置するという方も少なくありません。
どうして、その様な事をするのか?
モノを買ってストレス発散?そのストレスって?って思いがちだけれど、
繰り返し他愛もないお喋りをしている内に、気づいた事がありました。
モノを買う事が目的でなく、
それを買う、ほんの短い時間の人とのコミュニケーションが目的だという事。
自治体やボランティアの方々が、コミュニティ・カフェなどを開設されて、
地域コミュニティの場も増えてはきていていますが、
人とのコミュニケーションを求めていてもシャイな方は、
そこに入るキッカケが欲しいのかもしれません。
施設などコミュニティの場はあっても、
そのハードと人を繋ぐソフトな部分が、足りていないのでしょうね。



取り留めのない事をあれこれ書きましたが、
家の中で溢れているモノ達が、
今の時代にあったコミュニティの場と人とを繋ぐ
ソフトな部分の手助けをする役割が出来る良い方法はないかと、
模索している私です。

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弘瀨美加
専門家

弘瀨美加(講師)

comfy living

在宅介護経験者だから伝えられる実践的な整理収納スキルに強み。高齢者の心身の特性に配慮した収納のテクニックで安全で安心な住環境の整え方を提案。介護する人される人、双方の気持ちの負担も軽くなるよう努める。

弘瀨美加プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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