耐震改修の落し穴
住宅のリフォーム
古い住宅では、建てる工法によりリフォーム(改修工事)の方法が変わります。
コンクリート製の基礎が無い、伝統構法で建てられた建物か?
コンクリート製の基礎と土台がある、在来工法であるか?
以上の区別により、地震時の対策が異なってくるため、同じような耐震補強工事では
それぞれの建て方に対応が出来ません。
現在の耐震診断は、昭和56年6月以前にたてられた、在来木軸組工法には
有効でも、コンクリート製の基礎の無い伝統構法の建物には対応ができません。
なぜなら、在来木軸工法は耐力壁により地震時の揺れに耐えることを求めます。
それに対して、伝統構法は地震時の揺れを建物にそのまま伝えることなく、
揺れをいなす(揺れを少なくして、木材のめり込みを想定)する建て方だからです。
その性質上、在来木軸工法は建物の傾き角度が少なくても、倒壊の危険性が増してきます。
それに比べて、伝統構法の建物は建物の傾きに余裕があり、上記在来工法に比べても
建物の粘り強くなっています。
実際、今回行った200年程経過したお寺の庫裏の改修工事においても、柱が傾き、
また、柱と差し鴨居の継手には柱に鴨居のめり込みが見受けられました。
それでも、伝統構法の耐震性能を調べる「動的耐震診断」では、安全性があるとの
診断結果が出ていました。
このように、今の耐震診断基準では、倒壊の危険性があると診断された建物でも
日本古来からある伝統構法の建物は、十分に改修工事を行えば、
より耐震性能を向上させ、更に快適に過ごせる住宅に蘇る事ができます。
安易に、建て替えを勧めるのは如何なものかと思います。
「築40年以上の古民家再生、リフォーム専門店」
有限会社 谷野設計
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