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谷野行範

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テーマ:地震に備えた安心の耐震住宅

建築基準法について

地震が頻発する今、現行の耐震基準で安全かどうかということが、気になる方も多いのではないでしょうか。
まず、「建築基準法」についてお話をしていきましょう。

建築基準法第1条 第1章 総則
(目的)
第1条 この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。

上記のように記されています。
これは建築の基準法で、建築するにあたっての「最低の基準」との定めとなっています。
では「最低の基準」とはどういったことでしょう?

建築基準法における「最低の基準」とは、人命を守ること

前述の建築基準法における「最低の基準」について
・ 数十年に一度の、震度5強程度の中規模地震に対して、建物は一部壊れるが、人命には影響がない、また建物は修復して住むことが可能。 
  
・数百年に一度の、震度6強以上の大規模地震に対して、建物は壊れても人が安全に逃げられるような壊れ方を求める、また一定の限度内で壊れることを想定する。しかし建物は、大規模な修復をしないと住めない又は使用ができない。

このように「最低の基準」とは、当然のことながら「人命」を守ることを意味します。

しかし、住宅を建てるに当たり、苦労して頭金を貯め、ほとんどの人はこれからも長く続く住宅ローンを支払わなければならないのに、災害とはいえ家族が暮らす「家」そのものが失くなるのはとても耐えがたいことです。家族の無事を喜んでも、その後の落胆は察するに余りあります。

「建築基準法の最低耐震基準の趣旨は何か」を設計者や施工業者に問いかけてみる

東日本大震災のマグニチュード9.0、余震で震度7.0や5.0の頻発は、過去にない想定外の地震規模であり、これこそが数百年に一度の地震規模と思われます。

これから住宅建設のご計画をされる方は、まず上記のことを念頭におかれて、設計者や施工業者とお話をしてください。

「建築基準法の最低耐震基準の趣旨は何か?」といったことを問いかけてみるのも、設計者や施工業者の耐震に対する意識や技術力を知る一つの方法です。「建築基準法のとおり、確認申請で安心です。」などの返答があった場合は、ちょっと用心してみてください。

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谷野行範
専門家

谷野行範(一級建築士)

有限会社 谷野設計

設計士の中でも特殊な知識が必要な古民家の専門家。住環境や施工の状況までトータル的な知識を持つ。家づくりに関するあらゆる質問に応え、住まう人にとってのベストな解決策を提示。

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