珊々会書作展
丸亀 四宮石材の四ノ宮です。
お習字を習っていると、石屋さんは「お墓の文字もご自身で書かれるんですか?」とよく聞かれます。
答えは、書いていません。
上の彫刻の写真は、書家の先生に依頼した文字を彫刻したもので、かな系の先生なのですが、お寺のご住職でして私もすごく好きな字体です。
この字を見れば、四宮石材の仕事であるとすぐにわかります。
一般的に、お墓に彫刻する文字と書道で書く文字は違うと言われます。
上の写真の文字もお墓用に書いていただいたものです。
何が違うかというと、お墓の正面の文字は少し太めに書かないとバランスが取れず見栄えがしません。
かといって太すぎるとこれもまた、バランスが取れません。
四宮石材では、お客様が書いた文字をお墓に彫刻することが出来ますが、「すこし筆圧をかけて太めにお願いします」とアドバイスしております。
話を元に戻しまして、私はお習字はとても好きですが、お客様のお墓に彫刻する文字を書いていません。
正直、書けないことはないです。
石屋さんの中には、思いを込めてご自身で書かれているところもありますが、四宮石材では書いていません。
ではなぜ書かないのかというと、まず一つ目の理由は、お墓は今後、何百年も続いていきます。
私の書にそんな魅力はないですし、おこがましい様な気がします。
二つ目は、私が思いを込めて書いても、お客様が思いを込めて書いた文字には到底かないません。
これは上手い下手ではなく、気持ちの問題でもあります。
まだまだ理由はありますが、この二つが重要なポイントです。
また、文字の書体も楷書、行書、隷書など色々ありますので、そのお墓にあった書体をアドバイスいたしております。
是非、次のお墓参りの際には、お墓の文字に注目してみてください。
お墓ごとに特徴があり面白いと思います。