ドローン調査だけではわからない?屋根調査はやっぱり職人の目と手が重要!

こんにちは。盛岡市で屋根工事を専門にしている瀧澤屋根工業です。
今年の岩手は、雨が続いています。7月31日から8月2日にかけての県南の大雨では奥州市や北上市に避難指示が出ました。9月3日には花巻市で床上・床下浸水があり、9月7日には岩手県に「線状降水帯」の半日前予測が出て、沿岸には暴風警報も出ました。
こういう雨のあと、うちの電話が増えるのが「天井にシミが出た」「窓の上から水が垂れてきた」という相談です。
今日は、大雨のあとに「雨漏りかも」と気づいた方に向けて、最初の1週間でやってほしいこと、やってはいけないこと、そのあとどう直すかの考え方を、現場で見てきたままに書きます。
目次
先に線を引いておきます
まず3つだけ、はっきりさせておきます。
•雨漏りは、その日のうちに家が壊れるものではありません。慌てて決めなくて大丈夫です
•ご自分で屋根に上がらないでください。濡れた屋根は本当に滑ります
•「今日契約すれば安くなる」と言う訪問業者とは、その場で契約しないでください
この3つを守っていただければ、あとは落ち着いて直せます。
なぜ「大雨のあと」に雨漏りが見つかるのか
雨漏りの相談が大雨のあとに集中するのには、はっきりした理由があります。
屋根は、屋根材だけで雨を止めているわけではありません。屋根材の下には「ルーフィング」という防水シートが敷いてあって、実際に雨を止めているのはこのシートです。屋根材のすき間から入った水は、普段はルーフィングの上を流れて軒先から抜けていきます。
ところが、ルーフィングが古くなって破れていたり、板金のつなぎ目や谷(屋根と屋根がぶつかる溝の部分)の納まりが弱っていたりすると、普段の雨では「ぎりぎり抜けていた」水が、横殴りの雨や何時間も続く長雨で限界を超えます。それが天井のシミになって出てきます。
つまり大雨は、屋根の弱い場所をあぶり出しているだけです。原因はその日にできたのではなく、何年も前から少しずつ進んでいたことがほとんどです。
岩手・盛岡ならではの事情
岩手の屋根で、大雨のあとに雨漏りが出やすい場所は決まっています。
•横葺き(よこぶき)の金属屋根の隅棟(すみむね):屋根の角の斜め45度の部分。よくある雨漏りです。
・天窓からの雨漏り。前から天窓の角に濡れたような跡があった。大雨の時だけ雨漏りする。
•瓦棒葺き(かわらぼうぶき)のトタン屋根:キャップ部分から雨漏りしています。
もうひとつ、寒冷地ならではの話をします。秋の雨漏りを放っておくと、濡れた野地板(屋根の下地の板)が乾かないまま冬を迎えます。そこに氷点下がきて、すが漏れ(軒先の氷が水をせき止めて屋根の内側に回す現象)が重なると、春には下地が腐っています。秋に見つけた雨漏りは、秋のうちに手を打ったほうがいい。これは長く現場をやってきて、本当にそう思います。
最初の1週間でやること
1. 写真を撮る(これが一番大事)
•天井や壁のシミを、スマホのカメラで十分です
•雨が降っている最中に水が垂れていれば、その動画も撮っておいてください
•外からは、地上や2階の窓からスマホの望遠で屋根を撮ってください。屋根には上がらないでください
火災保険を使う場合も、工事店に相談する場合も、この写真がすべての出発点になります。
2. 水を受ける
•バケツと、床を守るビニールやタオルを置いてください
•天井のクロスが水で膨らんでいたら、画びょうで小さく穴を開けて水を抜いてください。放っておくと、天井ボードごと落ちてくることがあります
3. 火災保険の契約内容を確認する
突風で棟板金(屋根のてっぺんの金属)が飛んだ、飛来物で屋根が割れた、という「風災」であれば、火災保険の対象になる可能性があります。ただし、経年劣化による雨漏りは対象外です。ここは保険会社が判断することで、私たち工事店が「使えます」と約束できるものではありません。詳しくは先日書いた火災保険で直せる屋根まわりの工事一覧のコラムをご覧ください。
4. 屋根屋に写真を送る
室内のシミの写真と、外から撮った屋根の写真があれば、ある程度の見当はつきます。当社はLINEで写真を送っていただければ、最短で当日中にお返事しています。現地調査は無料です。
やってはいけないこと
•ご自分で屋根に上がること。ブルーシートを張ろうとして転落する事故は、毎年どこかで起きています
•コーキング(シリコンの充填剤)で、それらしい所を自分で埋めること。水の「入口」ではなく「出口」を塞いでしまい、かえって雨漏りが広がることがあります。何度も現場で見てきました
•天井裏に自分で入ること。濡れた天井ボードは踏み抜きます
•「近くで工事をしていて、お宅の屋根が浮いているのが見えた」と訪ねてきた業者を、屋根に上げること
最後のひとつは、次の章で詳しく書きます。
現場で見てきた実例
こういうケースを、何度も見てきました。
•盛岡市内・築22年のスレート屋根:大雨の翌日に2階の天井にシミ。原因は谷板金の落ち葉詰まりでした。掃除と谷板金の交換で解決し、屋根本体は問題なし
•矢巾町・築30年の瓦棒葺きトタン:表から見るときれいなのに、軒先の裏側が錆で穴だらけ。普段の雨は耐えていましたが、長雨で一気に。ここは塗装ではどうにもならず、カバー工法をご提案しました
•花巻市・築18年の横葺き金属屋根:隅棟の納まりから逆流。部分的な板金のやり直しで直りました
•盛岡市・築25年:雨漏りだと思って呼ばれたら、原因は雨どいのあふれ。雨どいの交換だけで済みました
同じ「大雨のあとの雨漏り」でも、直し方は谷板金の掃除だけで済むものから、屋根全体のカバー工法まで幅があります。だから、まず見ないと分からない、というのが本当のところです。
お金の話は、見てからにさせてください
「結局いくらかかるのか」が一番気になるところだと思います。ただ、大雨のあとの雨漏りは、谷板金の掃除で済むものから、屋根全体をやり直すものまで幅が広すぎて、見る前に金額を言うことができません。むしろ、見もしないで金額を言い切る業者のほうを、私は心配します。
そのうえで、ひとつはっきり書いておきます。雨漏りしている屋根に塗装をしても、雨漏りは止まりません。塗装は屋根の表面にしか触れず、雨を止めているルーフィングには一切さわらないからです。「雨漏りしているなら塗り替え時期ですね」と言われたら、一度立ち止まってください。
築20年を超えていて、ルーフィングの寿命が来ているなら、部分補修をくり返すより、カバー工法か葺き替えで一度リセットしたほうが、30年で見ると結局安く済むことが多いです。塗装・カバー・葺き替えの三択で迷っている方のために、屋根材と築年数を入れると30年の費用が比べられる30年費用シミュレーションを用意しています。金額の感覚はそちらでつかんでください。
ここだけは気をつけてほしいこと
大雨や台風のあとは、被害に便乗した訪問業者が増えます。
国民生活センターによると、住宅の「点検商法」の相談は2026年に入っても増えていて、2,193件と前年の同じ時期(2,012件)を上回っています。典型的な言い方はこうです。
•「近所で工事をしていて、お宅の屋根が浮いているのが見えた」
•「屋根がずれているので、無料で点検します」
•「今日契約してくれれば割り引きます」
屋根に上げたあとで、わざと壊して写真を見せる手口も報告されています。屋根の上は、家の人からは見えない。そこを突いてきます。
対処は簡単で、その場で契約しないこと。これだけです。もし契約してしまっても、訪問販売なら契約書を受け取った日から8日以内はクーリング・オフができます。困ったら、お住まいの消費生活センターか、消費者ホットライン「188(いやや)」に電話してください。
そして、地元の屋根屋にも一度見せてください。うちである必要はありません。盛岡、矢巾、花巻、奥州、どこにでも、屋根に上がってちゃんと見る屋根屋はいます。
まとめ
•大雨のあとの雨漏りは、その日にできた穴ではなく、何年も前から進んでいた弱点があぶり出されたもの
•最初の1週間は、写真を撮る・水を受ける・保険を確認する・屋根屋に写真を送る、の4つ
•屋根に上がらない、自分でコーキングしない、訪問業者をその場で屋根に上げない
•原因は谷・隅棟・軒先・雨どいに集中していて、直し方は掃除だけで済むものから屋根全体まで幅がある。見る前に金額は言えない
•雨漏りしている屋根は、塗装では止まらない。築20年超ならカバー工法・葺き替えも含めて比べる
•盛岡で屋根工事ができるのは実質10月まで。秋の雨漏りは秋のうちに
当社では現地調査・ご相談は無料で対応しております。LINEで写真を送っていただくだけでも構いません。気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
瀧澤屋根工業 代表のタキサワでした。
https://www.takisawaroof.com/


