もしかしてその屋根からの雨漏りは結露かも。以外と多い冬の結露による雨漏りについて
今回は屋根工事経験18年の私が、日々の現場作業を通して感じた
屋根を長持ちさせる秘訣5選を紹介します。
1.定期的な点検とメンテナンス
屋根の定期的な点検とメンテナンスは、屋根を長持ちさせるために欠かせない重要な作業です。屋根には常に外的要因が作用しているため、早期発見と対処が必要です。
屋根には、劣化や破損、雨漏りの原因となる穴や亀裂が生じることがあります。点検の際には、外観だけでなく内部の状態も確認し、異常があれば早急に修理することが大切です。
また、定期的なメンテナンスも欠かせません。屋根には、落ち葉や枝、ほこりや泥などのゴミがたまり、腐食や漏水の原因となることがあります。メンテナンスの際には、これらのゴミを取り除き、洗浄することが必要です。さらに、屋根にはコーキング材やモルタルなどが使われており、これらの材料も定期的に点検し、必要に応じて交換することが大切です。岩手県では板金屋根が主流ですので、定期的な屋根の塗り替えも大事です。
ボロボロになったスレート屋根
ここまでくると屋根の塗装をしてもすぐに塗装が剥がれてきます。
2.適切な換気
屋根を長持ちさせるためには、適切な換気が不可欠です。これは、屋根裏や屋根の下に湿気や熱気が溜まりやすく、これらが原因で腐食や劣化が進行することがあるためです。
具体的には、屋根裏や屋根の下に湿気が溜まると、木材などの建材が腐食してしまうことがあります。また、夏場に屋根の下が蒸れてしまうと、塗装の剥がれや腐食が進行することがあります。冬場にはスガ漏りと言われる現象が発生し、軒天が腐食したり、野地板や垂木にカビが発生したりします。スガ漏りによって室内に雨漏りが生じることもあります。
このような問題を防止するためには、適切な換気を行うことが必要です。換気により、湿気や熱気を屋根裏や屋根の下から排出することができ、建材の腐食や劣化を防止することができます。
また、適切な換気によって、屋根裏や屋根の下の温度を一定に保つことができます。
立平屋根の頂上部に棟換気設置例
屋根裏を換気することで、屋根の寿命を延ばします。
3.屋根材の選択
屋根を長持ちさせるためには、屋根材の選定が非常に重要です。屋根材には、耐久性や耐候性に優れたものがあり、これらを選定することで屋根の寿命を延ばすことができます。
一般的に、屋根材の中で最も耐久性が高いとされているのは、粘土瓦やステンレス製金属瓦です。これらの屋根材は、長期間にわたって風雨や紫外線などの外部環境に耐えられるだけの強度を持ち、劣化や腐食が進行しにくい特性があります。
一方で、一部のポリカーボネートの屋根材などは、寿命が短く、太陽光や紫外線による劣化や腐食が進行しやすいとされています。これらの屋根材を使用すると、屋根の寿命が短くなり、修理や交換が必要になることがあります。
屋根材の耐久性を世界的に評価すると
ポリカなどの樹脂→アスファルトシングル→一般カラー鋼板屋根→スレート瓦→ステンレス鋼板→粘土瓦 となります。
耐久性がある屋根材は価格が高い傾向にあり、重い瓦などメリットデメリットがありますので専門家に相談してみましょう。
高耐久の本格瓦屋根
フランス製の瓦屋根が迫力あります。
粘土瓦の耐久年数は50年以上です。
屋根の葺き替えについて
4.屋根の塗装
屋根を長持ちさせるためには、定期的な屋根の塗り替えが重要です。一般的に鋼板屋根は、10年から15年ごと塗装が必要とされています。鋼板屋根は紫外線などにより色褪せしてしまったり、錆びて穴が空いてしまうことがあります。サビは鋼板屋根には致命的で錆を放置するとますます増加してしまいます。鋼板屋根の錆びやすい部分として雪止金具を設置している部分やハゼ部分があります。また、コケが繁殖するところや、葉や枝がたまっていると湿った状態になりやすく錆びやすくなりますし、アンモニアなど飛散するような環境では錆びやすいとされています。
屋根の掃除洗浄によって、これらの汚れを取り除くことができます。汚れを放置せずに定期的な掃除を行うことで、屋根の寿命を延ばすことができます。
また、屋根の塗装は、外観の美しさを保つことにもつながります。フッ素樹脂塗装鋼板など耐候性に優れた鋼板もありますが、必ず塗装は必要になります。定期的な屋根の塗装によって、建物全体の美観を保つことができますので10年から15年の間で塗り替えしてあげましょう。
サビを除去するためにグラインダーで表面を研磨します。
この作業が塗装では大事なポイントです。
白いのはサビ止めです。本塗りをする前にサビ止めを塗らないと錆びやすく寿命に影響します。
本塗りは2回塗りでムラ無く、塗料を厚く塗ることができます。
5.積雪対策
屋根を長持ちさせるためには、積雪の対策をすることが重要です。特に、多雪地域では雪が原因で屋根材が劣化したり、軒先が折れて修理が必要になることがあります。このため、大雪時には適切な雪降し対策を行うことが必要です。
1mを超える雪が積もると、屋根には大きな負荷がかかります。特に、雪が湿っている場合は、重さが増し、瓦やスレートの割れ、鋼板屋根も裂けたり、軒先が腐食して木下地に損傷を与えることがあります。また、屋根から落ちた雪が人や建物に被害を与えることもあります。これらの被害を防ぐためには、大雪積雪時には適切な落雪対策を行うことが必要です。
具体的な落雪対策としては、雪止金具やスノーネットの設置、雪下ろしなどがあります。雪止めやスノーネットは、雪が滑り落ちるのを防ぎ、人や建物に被害がないようにします。落雪によってカーポートやサンルームの屋根が破損したり、温水器が壊れたりします。多雪エリアでは屋根に積もった雪を取り除くことで、負荷を軽減することができます。
雪止めについて
以上が屋根を長持ちさせる秘訣5選です。
この5選はあたり前のようなことですが、このあたり前の事を怠ると劣化が進行して建物の寿命が短くなる恐れがあります。
屋根は基礎と同じように非常に大事な部分です。屋根から雨漏りしなければ建物は長持ちすることでしょう。
定期的なメンテナンスを心掛けて、大切な財産を守りましょう!
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以上、瀧澤屋根工業(タキサワヤネコウギョウ) 代表の瀧澤でした。