高齢化社会と向き合う(Ⅷ)
"カロリーゼロ"や”低カロリー”のダイエット食品に使われる人工甘味料に、長期的なダイエット効果は期待できない・・・。
5月15日にWHO(世界保健機関)が発表したガイドラインが波紋を呼んでいる。WHOは283件の研究報告を分析。人工甘味料を含む非糖質系甘味料は、3ヵ月など短期間の使用では体重や体格指数(BMI)を下げる効果があるが、6∼18カ月の長期だと減量効果がみられないという。
非糖質系甘味料とは何か。
甘味料と言えば砂糖が代表格ですが、他にもでんぷん由来のブドウ糖や果糖などの糖質系甘味料と、それ以外の非糖質系甘味料があります。非糖質系にはアステルパームやスクラロースなどの
人工甘味料と、天然由来のステビアや甘草などがあり、どちらも砂糖の数百倍の甘味を持つのが特徴です。
人工甘味料が中心の非糖質系甘味料は強力な甘さを持つため、ごくわずかな使用量で甘み付けが可能で、その分カロリーが抑えられる。こうして低カロリーのダイエット食品が生まれた。
人工甘味料につにいては以前から注意を促す研究機関も多く、WHOの勧告はもっともだと評価されている。糖質をたくさん取っていると、脳が甘いものが欲しくてたまらない”糖質中毒”になってしまう。そして長年人口甘味料を使い続けていると、健康被害を引き起こす危険性があるとWHOは勧告している。特に、糖尿病発症率のリスク20~30%、脳卒中リスク20%、心血管疾患全体のリスクは32%上昇する。
これまでダイエットの味方だと思ってきたカロリーゼロ食品に頼ってはいけない!!
WHOはダイエットのために、子どものころから甘い味付けを減らし、糖質や甘いものが欲しくなる脳を作らないことを推奨している。多くの日本人が不足しているタンパク質や食物繊維の栄養素。普段の食生活に充分取り入れて、健康で長寿が全うできる体作りを目指しましょう。