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認知症の予防と未来医学(4)

髙橋一久

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テーマ:認知症新薬アデュカヌマブ

 認知症治療薬になるか?「アデュカヌマブ」という薬を、日本で新薬承認申請をしたというニュースが昨年12月にあった。アデュカヌマブはアルツハイマー病の進行に本源的な変化をもたらす可能性を持つ初めての治療薬であり、現在、日本、欧州、米国で承認申請中だ。この申請の前、10月30日、新薬を米国の製薬大手・バイオジェンと共同開発しているエーザイの内藤晴夫CEOは会見で「承認にこぎつけ、患者の想いに応えたい」と語っている。
 東京大学医薬政策学客員准教授・五十嵐中(あたる)氏が解説する。
これまでの認知症薬とはメカニズムが違っている。既存薬は神経伝達の強化を通して症状を一時的に改善するもので、その期間は長くて18ヶ月程度です。今回のアデュカヌマブは認知症の原因物質とされるアミロイドβを留まりにくくすることで、症状の悪化をより長期に制御できる可能性があります。但し、認知症が“根治”するわけではない。
患者の症状の悪化を抑えることが、患者のQOLなどの大切な要素の改善につながるかを、実世界のデータで明らかにする必要があるでしょう。と語っている。

〇アデュカヌマブについて
アデュカヌマブはアルツハイマー病(AD)の治療候補として開発されたモノクロール抗体です。疾患の原因となる病態生理に作用し、認知機能の低下(悪化)を制御し、金銭感覚、家事、や単独外出などの日常生活におけるベネフィットが得られると期待されています。承認された場合、アデュカヌマブは、AD当事者の疾患の経過に本源的な変化をもたらす初めての治療薬となります。

〇アルツハイマー病とは
アルツハイマー病は、思考、記憶及び自立の機能が損なわれ、早期の死亡に繋がる進行性の神経疾患です。ADは、毒性種であるAβプラークの異常な蓄積を含む脳の変化を特徴とし、その蓄積は症状が現れる20年前から始まる。現在の研究においては、ADの進行制御、遅延をもたらすために、可能な限り早期に患者を見つけ出し、治療することに焦点が当てられています。               了

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