特定扶養控除 150万円に引き上げへ
昨年、厚生労働省が発表した日本人の平均寿命は、男性が81.05歳、女性が87.09歳で、60歳で定年退職した場合、その後に平均で20年以上の人生が続くことになります。
資産と年金で働かなくても生活できるなら、そのまま退職してもいいのですが、20年以上となると経済的不安も大きくなります。そこで、定年を迎えた後も働く人が増えました。
内閣府の調査によると、何歳まで仕事をしたいかという質問に、「61歳以上」と答えた人が71.1%もいたそうです。内訳は、多い順に「61~65歳」が28.5%、「66~71歳」が21.5%、「71~75歳」が11.4%でした。理由はやはり、「生活の糧を得る為」が一番多かったそうです。
実際、企業側にも、高スキルの人材を確保するために、高度専門職の社員が、定年後も正社員と同じ職務で、同等の報酬を得られるような再雇用制度を導入し、70歳までの継続雇用を可能にしているところも出てきました。
定年退職した人の中にも、自分のスキルが活かせる会社であるなら、まだまだ働きたいと思っている人も多く、これからは、人材不足を補うために、このような潜在的に働きたいと思っている人の掘り起こしが盛んに行われるようになるでしょう。
ただ、注意が必要なのは、働くことによって、一定の収入があった場合、厚生年金が減額または支払われない可能性があります。働く人の中には、年金額が減らないように、働く時間を調整しているといった人も多くいます。
働くのならば、どういった形で就労するのが一番いいか、試算してみる必要もあるでしょう。
もちろん、働くことへの理由として、「収入を得る」ことだけではなく、「社会とのつながりを持つ」ことや、「生きがい」を理由にする人も多くいます。一番の理想は、体力的・精神的に無理なく、経済的にも不安がない額を稼ぐことでしょう。だからこそ、定年を迎える前に、60歳以降の人生設計を考えてみることが大切だと思います。