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文字によるパワハラ

冨田義広

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最近、LINEの文章の文末に「。」を付けられると、怒られているように感じる若者が増えているといったニュースがありました。
ただこれは、ごく一部の若者に言われているだけで、基本的には仕事関係の連絡に「。」が付いていても何も感じない人がほとんどだと思います。
実際、通常のメールやSNSでは、若者も句読点を普通に使用しています。しかし、LINEについては、普段友達とは短い文章でテンポよくチャットをすることが多いため、長文や句読点に圧力を感じるのかもしれません。

しかし、文章の内容や状況によっては、本当にハラスメントに該当する場合もあります。
若者への文章に限らず、上司が部下に対して、注意や指導のつもりで送ったメールでも、文字だけのため、相手によってはきつく叱責されたように取られる可能性があります。
また、関係者だけに送信すればいいところ、送信範囲に知る必要のない者まで含まれていたため、一種の「晒し者」にされる場合もあります。
こういったことが度を越して続けば、パワハラに認定されるかもしれません。

顔を合わせて、もしくは電話で話せば、言葉の真意が伝わりやすいですが、文字だけだと、どうしても正しい意図が伝わりにくくなります。実際、受け取る人によっては、全く反対の意味に取られてしまうこともあります。
このような誤解を防ぐためにも、どうしてもメール等で伝えなければならない場合は、きちんとした言葉使いで説明し、言葉足らずにならないような配慮が必要です。
現在、テレワークなどで仕事に関わる連絡も、メールやLINEで行うことが多いため、文字による誤解やパワハラを生まないために、社員への注意喚起や管理職の研修を行う必要もあるかもしれません。

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専門家

冨田義広(社会保険労務士)

冨田社会保険労務士事務所

事業運営の中で発生する、さまざまな労務問題に対応。人事の現場経験で培った知識とノウハウを軸に人事や労務、法律に関する相談から給与計算や社会保険手続きにも応じています。

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