就活とオワハラ
厚生労働省の発表によると、2020年度に第一子を出産した女性のうち、仕事を持っていた人の割合は62.9%と過去最高だったそうです。
5年前の調査では、45.8%だったので、17.1ポイントも上昇し半数を超えたことになります。
以前は、女性の労働力人口は結婚・出産期にあたる年代に低下し、育児が落ち着いてきた時期に再び上昇するM字型カーブを描いていましたが、近年はM字の谷の部分が浅くなってきています。
ただし、最近の女性の就業形態は、若年層でも非正規雇用が多く、更に結婚や出産などのライフイベントが重なると正規雇用から非正規雇用へと移行する人が増える傾向にあるため、仕事を持っているからといって、単純に労働力人口が上がったとは喜べない状況です。
また、出産時に仕事を持っているということは、子育てと仕事の両立を図らなければいけないということで、現在、政府が声高に少子化対策を発信していますが、具体的で効果のある対策が求められていることが、この数字によって改めて浮き彫りとなりました。
今年の4月からは出産一時金が50万円になりましたが、そういった短期間のことだけではなく、安心して子どもを預けることができる保育所等の整備や、企業側の時短期間の延長など、公共・民間ともに進めなければいけない課題が多くあります。
2021年のデータでは、日本の女性の第一子出産の平均年齢は30.9歳だそうなので、その年代の女性が働きやすい環境を作ることが、まず第一歩かもしれません。