北陸の経営者が陥る「採用の罠」――なぜ母集団を増やしても組織は弱くなるのか?
求人広告を出しても応募が来ない会社に、広告より先に見直してほしいこと

「求人媒体に掲載したけれど、応募が来ない」
「説明会を開いても、学生が集まらない」
「採用サイトも作ったのに、反応が弱い」
採用に苦戦すると、つい「もっと応募を増やさなければ」と考え、次の求人媒体を探したり、広告費を増やしたりしたくなります。
もちろん、求職者との接点を増やすことは大切です。
しかし、その前に一度確認してほしいことがあります。
それは、
「なぜ、この会社で働きたいと思うのか」が、求職者にきちんと伝わっているか。
ということです。
給与や休日だけでは、会社ごとの違いは伝わりにくい
求人票や採用サイトには、さまざまな情報が掲載されています。
- 給与
- 休日
- 福利厚生
- 勤務地
- 仕事内容
- 勤務時間
どれも、求職者が会社を選ぶうえで重要な情報です。
ただし、これらの情報は多くの会社が掲載しています。
そのため、条件を並べるだけでは、求職者から見たときに会社ごとの違いが分かりにくくなってしまいます。
特に地方の中小企業が、給与や知名度といった条件だけで大手企業と比較されると、どうしても厳しい戦いになりがちです。
だからこそ採用では、条件を伝えるだけではなく、
「なぜ自社で働くのか」
という理由まで整理する必要があります。
採用で最初に整理したい3つの問い
求人広告を増やす前に、まず社内で次の3つを考えてみてください。
1. 私たちは、誰を採用したいのか
「若くて優秀な人」
「コミュニケーション能力の高い人」
といった漠然とした人物像ではなく、
どんな価値観を持ち、どんな仕事にやりがいを感じる人と一緒に働きたいのか。
そこまで具体的に考える必要があります。
2. その人にとって、自社で働くことにはどんな意味があるのか
会社側が魅力だと思っていることと、求職者が魅力だと感じることは、必ずしも同じではありません。
自社の仕事を通じて、
- どんな経験ができるのか
- どんな成長ができるのか
- 誰に、どんな価値を届けられるのか
- どんな未来を一緒につくれるのか
求職者側の視点から、自社で働く意味を考えることが重要です。
3. なぜ、他社ではなく自社なのか
これが、採用における「選ばれる理由」です。
会社の歴史。
経営者の想い。
仕事へのこだわり。
顧客から評価されていること。
社員が働き続けている理由。
地域や社会に提供している価値。
こうしたものの中に、自社ならではの魅力が眠っています。
採用は、単なる「人集め」ではない
私たちプロジェクトタネは、採用を単なる「人集め」だとは考えていません。
採用とは、会社の価値と、人の未来をつなぐ仕事です。
そのため、採用担当者の役割も、応募者への連絡や日程調整だけではありません。
自社のことを理解し、
会社が何を大切にしているのかを理解し、
それを自分の言葉で候補者に届ける。
私たちが提供しているトップリクルーター養成プログラム「クロオビ!」でも、採用担当者を単なる応募者対応係ではなく、
「会社の未来をつくる採用プロデューサー」
として位置づけています。
「アットホーム」「地域貢献」だけでは伝わらない
北陸には、誠実に仕事を続け、地域を支え、社員を大切にしている会社がたくさんあります。
一方で、その魅力を採用サイトや求人票で見ると、
「アットホームな職場です」
「地域に貢献しています」
「若手が活躍しています」
といった言葉だけで終わっているケースも少なくありません。
もちろん、これらが間違っているわけではありません。
問題は、その会社ならではの具体性がないことです。
なぜアットホームなのか。
地域にどんな価値を提供しているのか。
若手は、どんな仕事を任され、どう成長しているのか。
そこまで言葉にして初めて、求職者にとっての「自分が働くイメージ」に変わります。
魅力がないのではなく、「選ばれる理由」に変換されていない
採用に苦戦している企業を見ると、
「うちには大手のような魅力がない」
と考えてしまう経営者もいます。
しかし、本当にそうでしょうか。
長年お客様から選ばれてきた理由がある。
社員が働き続けている理由がある。
地域で必要とされている理由がある。
会社が今日まで続いてきた背景には、必ず何らかの価値があります。
問題は、
その価値が、求職者から見た「選ばれる理由」に変換されていないこと。
そこに、採用課題の原因が隠れていることがあります。
求人広告を増やす前に、社内で話してみてください
もし採用に苦戦しているのであれば、新しい媒体を探す前に一度、社内でこの問いを話してみてください。
「私たちは、どんな人から、何を理由に選ばれたい会社なのか」
経営者と採用担当者。
現場社員と若手社員。
それぞれの答えを集めてみると、自社でも気づいていなかった魅力が見えてくることがあります。
そして、この「選ばれる理由」が明確になると、
- 求人広告
- 採用サイト
- SNS
- 会社説明会
- 面接
- 内定後フォロー
といった採用活動全体が、同じ方向を向き始めます。
応募を増やす前に、「選ばれる理由」をつくる
プロジェクトタネでは、企業の中に眠っている魅力や価値を掘り起こし、言葉にし、採用サイト・採用広報・会社説明会・面談などの候補者接点へ落とし込むことで、求職者から選ばれる会社づくりを支援しています。
求人広告そのものを否定するわけではありません。
大切なのは、広告を出す前に、何を伝えるのかが整理されていること
です。
応募を増やす前に、選ばれる理由をつくる。
それが、採用を変える最初の一歩だと私たちは考えています。


