千枚田もいいけれど・・・

国指定文化財（名勝）「白米千枚田」を後世に遺したい！！
現在、ガバメントクラウドファンディングで、このような取り組みを行っております。

千枚田は、日本海に向かって広がる小さな小さな棚田の集まりで、大変美しい景観の場所です。
ですが、小さすぎる棚田ゆえ、とても大きな機械は入りません。人力作業しかできないところも多々あるため、維持・管理するのに大変な労力がかかる場所です。
それに加えて、奥能登でも深刻な問題となっている少子高齢・・・。この千枚田を保全している地元の方々のメンバーは、70歳以上の方々ばかりだとか・・・。
やはり、この景観は奥能登にとっても大切な資産！そうである以上、大切に守り抜いていかなければいけないと思っております。この大変な農地を保全されている地元の方々は素晴らしいとも思います！

そんな千枚田保全のためのクラウドファンディングですが、実は、返礼品に協力してほしいという趣旨のお話を、以前、チラっとですがお聞きしました。
もちろん、私でよければ微力ながら協力はしたいと思っております！
が、このお話には、1つだけ条件をつけさせていただきました。

「1000万円集まったとして、900万円を千枚田に使ってもいい。でも、ほんの少しでもいいから、千枚田以外の場所にも振り分けてほしい。」
と。

これが完全に民間主導のクラウドファンディングなら話は別ですが、あくまでも「行政」が主導です。
だから、このようなご提案をさせていただきました。
「世界農業遺産」に認定されたのは、何も千枚田だけではありません！千枚田も含まれた「能登」というエリアです。
確かに千枚田の維持にはお金がかかるのは分かります。ですが、農地保全に困っているのは何も千枚田だけではありません！もちろん、私や、私が農業を営んでいる「金蔵」地区だけでもありません。
それなのに、なぜ千枚田だけなんだ？という疑問がずーっと心の中にありまして…。
ですから、「今回は千枚田のためのクラウドファンディングを行うが、一般財源から他の地域への支援も必ず行う！だから協力してほしい」というお返事でもよかったわけです。

さて、気になる行政の結果ですが・・・
返礼品をチェックしていただけると分かりますが、残念ながら…という感じです。
そもそも、1度お話の機会があっただけなので、「返礼品に出したくないんだな」とだけ思われた可能性もありますが（笑）

繰り返しになりますが、何もわたくし、このクラウドファンディングを否定する気もありませんし、ご尽力されている方々には感謝の気持ちもあります。

ですが、千枚田以外の地域にも目を向けていただきたい！
その思いもまた、大変強く持っているのです。
千枚田と目と鼻の先にある地区の方々から、「もうあんたしかおらん！」「頼むわ～助けてくだしぃ～（助けてください）！」と、農作業の部分的なご依頼も来ます。私ももはや自分のところだけで手一杯の状況ですが、そこまで言われると、やはり助けてあげたくもなります。
「もうこの地域は危機的状況なんや」
そうおっしゃりながら農業をされている方々もいます。

今回は「観光」という側面も含んだ支援なのでしょうが、どうか他の地域の現状にもしっかりと目を向けてもらえたらと思った出来事でした。