失敗しない塗装工事の為に⑦
業者も知らないシーリングの話し
ポイント⑤ 塗装業者の殆どが知らない驚くべき事実(シーリング)
「一年前に塗装工事をやった時に、ひび割れの補修をしたところが、黒くみみず腫れの後が出てきた」
その業者に電話をしたら「それは仕方がない事だ」といわれたが本当ですか?先日、このような質問を頂いた。
話を詳しく伺ったところ、「ひび割れをきちんとコーキングで補修した後に塗装をしたのは確認したので、手抜きはしてないはずだ」ということでした。
実は、このひび割れのトラブル 今回いただいた相談以外にも、数多く発生しているものなのです。
その殆どが、塗装工事を行ってから一年以内に発生しています。
気をつけて隣近所の家々を見てみると、黒くみみず腫れになっている家が何軒もあることが確認できるはずです。
塗装工事を行った後に比較的多いトラブルがこの、黒くみみず腫れの「跡が出た」なのです。
工事を行った直後ならまだしも、一年後の問題ですから、結局お客さんが泣き寝入りになってしまうといったケースが殆んどなのです。
では、何故このようなことが起きるのでしょうか?
その原因は、(ちょっと難しい話になりますが)コーキング剤の中に含まれている成分のひとつである「可塑剤(かそざい)」が塗膜を溶かしてしまうからなのです。これを可塑移動と言います。
そして、コーキング剤そのものが、ホコリやゴミが付きやすい素材のため、黒くなってしまうのです。
「ということは、業者の言うとおり仕方がない事だということですか?」いえ、そんなことはありません。ちゃんとあるのです。その方法が!
その解決方法には、次の二つの方法があります。
①コーキングを打った後に可塑剤が表面にでてこないように、専用のプライマー(逆プライマー)を塗ることによって解決出来ます。
②可塑剤の成分が入っていない、コーキング剤を使用すればいいのです。
このコーキング剤を、「ノンブリード」といいます。最近は殆どのシーリングがノンブリードになってきていますが
この可塑剤についての知識がある業者は、残念ながら、非常に少ないのが事実です。
この道一筋二十年、三十年という職人ですら知らない人が圧倒的に多いのです。これは、コーキングは専門外という意識が強い塗装業者が多いからの様に思えます。
絶対やってはいけない仕様の作業を罪の意識無くやってしまう業者も少なくありません。(それともう一つ シーリングの適切な施工方法を知らない業者も沢山居ます。)