土地の境界
分筆登記申請をするために、どのような調査をしているのかというと、管轄法務局にある現在の登記簿(申請地、隣接地、対面地)を集めます。次に登記簿に記載された内容を読みとって、土地がどういった経緯で現在の状態になってきたのか調べます。また登記所に備え付けられている地図、地図に準ずる図面、地積測量図、さらに必要であれば閉鎖登記簿、閉鎖測量図を集めます。登記簿に記載された所有者は誰か、どこに住んでいるのか住宅地図も調べます、なかには登記簿に記載された所在が住宅地図には表示されない地域などもあります。さらに地図は図解法か数値法か。地図が備え付けられている地域であれば地籍図根点などの座標値、網図を保管している役所を訪ねて調べて資料を入手します。網図も凡例をチェックして図根点の杭種がコンクリート杭かプラスチック杭か木杭なのかも調べます。なかにはデータとして読みとっているので情報として記録されていないので判定できないという回答の役所もあります。さらに道路については、国道か県道か市道かを確認し管理している役所を訪問します。そして過去に境界確認していないかどうか、オフセット図などが役所に保存されていないかどうか、道路幅はいくつあるのか。また水路はどうか、水路幅はいくつなのかなどを相当しつこく調べることになります。役所に行ったとしても各役所で境界確認作業の進め方が違う場合もあって何回かは打ち合わせに訪問することが多いです。
登記所の資料についてはオンラインで申請し調査しているので以前に比べては相当効率的にはなってきています。ただし地図に関してはスキャナーで読み取ったpdfファイルなので曲がり箇所の判定が難しいあるいは曲がっているのに直線のように処理されているようなケースもあるので、念のためコピーではありますが法務局まで出向いて写しの交付を受けます。各種図面については作成された時期によって図面内容に相当程度差があるので作成年度も確認します。各関係する役所の調査と並行して、地図に地目、地積、所有者の住所氏名などを記入して現地に持参する素図を作成して申請地の近隣に挨拶をかねて現地杭及び構造物などの全体的な位置関係の確認を行います。会社勤めの方などの場合は土曜日、日曜日あるいは夕方から夜間にかけて訪問することも少なくありません。訪問した時に近隣の方から土地に関係するいろいろな経緯、情報もあわせてをうかがうことになりますが、登記簿の見方や登記の意味、境界についての考え方など様々な質問を受けることも多々ありますので、そういった疑問に丁寧に答えながら、立入作業のお願いをし作業の承諾を得ることになります。一般の休日は仕事のことが多いのと、隣地の方に挨拶に伺うのに夜の訪問も少なくありません。