測量CAD
建物表題変更登記で所在を調べてみると、建物の底地が微妙な位置関係。隣接地はすべて建物所有者様の土地であるが、増築の結果、国土調査が終わった後に増築されている建物の部分が隣地にまたいでいるかどうか判断しなければならないのだが周りに埋設されている杭もないので判断が難しい場所だった。
国土調査後に道路拡幅はされて、道路杭は設置されているのだが、公図(14条地図)の分筆ラインは登記官が加除したラインなので判断材料としては・・・・・。位置を特定するための周囲の図根点も昭和54年の国土調査時には道路沿いに設置してあったのですでに国道のアスファルトの下となってしまい見つけ出すのは困難かつ亡失の可能性大。
そこでVRS-RTK方式にGPSシステムを利用してみた。幸い上空や周囲には障害物のない地域だったこともあり衛星を8個補足できDOPの数値も良好。観測後に観測点からトラバース測量をおこない、以前任意座標で観測しておいたデータと座標変換を行い建物の位置と道路杭の位置を特定。トータルステーションで観測した斜距離には投影補正と縮尺補正を行いGPSの結果と比較。結果、敷地と建物の関係が明瞭になり建物の所在を決定し建物図面の作成ができた。さらに気になっていた道路杭同士の関連性もはっきりとしてきた。土地の測量だけでなく建物の調査にも活用できるので、VRS-RTK方式のGPS測量を活用していこう。
道路杭を基準にした境界確認や復元測量は思わぬ過ちをまねくことがあり、過去に何度か現地と測量図が不自然な関係になってしまっている現場に遭遇している。当然のことだが過ちの無い測量が大事。