公共座標って、実はこんなに大事なんです ― 土地家屋調査士の現場から、シンプルに伝えたいこと ―
新しい年を迎え、測量という仕事のあり方を改めて見つめ直す機会がやってきました。
近年、GNSS測量の普及によって、公共座標は特別なものではなく、私たちの実務に自然と溶け込む存在になっています。
桜町測量さんのブログウェブサイトのブログをご覧になると、この変化がどれほど身近なものになったかがよく分かります。
GNSS機器の活用方法、民間電子基準点の紹介、open-hinata3との連携、Droggerシリーズの実務的な使い方など、現場に直結する情報が豊富に発信されています 桜町測量ウェブサイト。
公共座標は、かつて行政側の管理下にある“遠い世界”のものでした。
しかし今では、技術者自身が電子基準点と接続し、必要な座標を取得し、現場で活用することが当たり前になっています。
桜町測量さんが紹介している民間電子基準点の一覧や、GNSS受信機の設定方法などは、まさにその象徴と言えます 。
当事務所でも、普段からビズステーションさんや桜町測量さんのブログを拝見してGNSS観測業務に取り入れています。
一方で、GNSS測量には複数の方式があり、どれも測量作業規程に基づく正しい手法です。
スタティック観測は後解析によって高精度を確保する方式であり、RTKやネットワーク型RTKは即時性を重視した方式です。
どの方式が正しいかではなく、どの方式が現場条件に最適かを判断することが、技術者の力量として問われています。
公共座標が身近になった時代だからこそ、
• 元図の世界との整合
• 復元の原理
• 誤差の所在
• 方式の適切な選択
こうした“原理を見る目”が、これまで以上に重要になっています。
桜町測量さんの発信は、単なる機器紹介にとどまらず、
「公共座標をどう扱うべきか」
「GNSSをどう現場に落とし込むか」
という実務者の視点を強く感じさせます。
新しい年を迎えるにあたり、
便利さに流されるのではなく、
技術者としての原理と責任を見つめ直す一年にしたいものです。
公共座標が当たり前になった今こそ、
技術者の哲学が問われる時代です。
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