GNSS観測方式のちがい ― スタティック観測とネットワーク型RTK観測直接法
お正月休みは、普段できないことをゆっくり試すにはちょうどいい時期です。
もし家に土地の図面が残っているなら、その中に「公共座標」で作られたものがあるかもしれません。
そして、こうした図面を扱うときに便利なのが QGIS です。
QGISはオープンソースのGISソフトで、無料で使えるにもかかわらず、
公共座標の取り扱いや座標変換に強く、測量・地図作業との相性がとても良いツールです。
公共座標の図面は、
一定の変換を行えば、現在の地形の上に正確に戻ってきます。
これは単なる便利さではなく、
図面が「時間を越えて位置を保つ」という測量ならではの面白さでもあります。
1. 公共座標の図面は“時代をまたいで位置を保つ”
公共座標で作られた図面は、
JGD2000、JGD2011、JGD2022 といった測地成果に基づいています。
これらは時代ごとに少しずつ違いますが、
国土地理院が公開している変換パラメーターを使えば、
QGIS上で正しい位置に戻すことができます。
つまり、
• 図面が古くても
• 測地成果が違っても
• 震災で地殻が動いていても
変換すれば、現在の地形の上に帰ってくる。
これが公共座標の図面の強さです。
2. QGISに載せると、図面が“現在の世界”とつながる
公共座標の図面をQGISに読み込むと、
航空写真や地理院タイルの上に、境界線が自然に重なります。
• 道路の曲がり
• 水路のライン
• 地形の起伏
• 建物の配置
こうした現地の形と図面が一致していく様子は、
単なる作業ではなく、
「図面が現在の世界と再接続される瞬間」です。
オープンソースのQGISは、
こうした作業を誰でも無料で試せる点も魅力です。
3. 変換が必要なのは“図面が生きている証拠”
公共座標の図面でも、
そのままでは少しズレることがあります。
• 測地成果の違い
• 震災後の補正
• 当時の計算方法の差
しかし、これらは欠点ではありません。
むしろ、図面が作られた時代の背景がそのまま残っているということです。
変換を通じて現在の地形に戻す作業は、
図面の“歴史”を一度ほどいて、
もう一度現在に結び直すようなものです。
4. お正月にやるとちょうどいい理由
• 時間に余裕がある
• 図面が出てきやすい
• 家族と土地の話をしやすい
• QGISをゆっくり触れる
• 結果が目に見えて面白い
そして何より、
自分の土地が、現在の地形のどこに現れるかを確認するだけで、
図面の価値が一段階上がって見えるという点です。
まとめ
公共座標で作られた図面は、
一定の変換を行うことで、
QGIS上に正しく載せることができます。
• 測地成果の違い
• 震災補正
• 時代の差
こうした要素を越えて、
図面は現在の地形の上に戻ってきます。
お正月休みに、
オープンソースのQGISを使って図面を読み込んでみると、
土地の見え方が少し変わるかもしれません。
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