ネットワーク型RTK観測 ― 既設基準点との同時平均による安定した測位
土地の境界を復元する仕事では、
昔の図面や記録、地域の歴史、
そして現地の状況を丁寧に照らし合わせながら、
もっとも自然で矛盾のない位置を探っていきます。
私はその際、まず現地の整合性を大切にしつつ、
公共座標を前提にした位置確認 を行っています。
境界の信頼性を高めるための、欠かせない工程です。
日本列島には、国土地理院が全国に約1300ヶ所、
電子基準点(GEONET)が張り巡らされています。
これらは日本の位置の“共通のものさし”として機能し、
必要に応じて スタティック観測 を行うことで、
公共座標での位置確認が可能になります。
現場の状況に応じて、
• ネットワーク型RTK観測
• RTK単点観測
• スタティック観測
• 短縮スタティック観測
などを使い分け、
公共座標を前提にした観測 を行いながら、
現地と公共座標の両面から位置確認を重ねています。
こうした観測結果を、
ヘルマート変換・アフィン変換 で整え、
最小二乗法による復元プログラム で誤差を丁寧に整理し、
現地の状況と公共座標の整合性を確かめながら、
もっとも妥当と考えられる位置を導いています。
境界は“ここです”と宣言するものではなく、
資料と現地と観測を重ね合わせることで
静かに浮かび上がってくる“答え”です。
私はこれからも、
公共座標を前提にした境界復元 と
現地整合性の確認 を大切にしながら、
土地の境界を丁寧に読み解いていきます。



