登記測量におけるスタティックGNSS測量の実施について (JGD2024準拠/電子基準点使用/令和7年作業規程対応)
お客様の土地に残る境界杭は、過去の測量や合意のもとに設置された大切な証拠です。
しかし、設置から数十年が経過した地域では、現地の杭の位置を単独で正確に確認することは不可能です。
そのため、当事務所では、杭そのものの存在を尊重しつつ、最新の測量技術を駆使して現地杭を科学的に評価・可視化する方法を採用しています。
■ GNSSスタティック観測による高精度座標化
GNSSスタティック観測は、複数の衛星からの信号を長時間受信することで、
土地上のポイントの座標を数センチ単位の精度で測定できる手法です。
残っている杭をそのまま使いながら、電子基準点(国土地理院設置)との関係を解析することで、
土地全体の基準点網に整合した新たな座標を算出します。
これにより、杭の位置を「現行の測量基準で確かめた結果」として記録できます。
■ ヘルマート変換・アフィン変換による評価
観測後の座標は、過去の図面や登記座標と照合し、
**ヘルマート変換(回転・平行移動・縮尺誤差)**や
**アフィン変換(局所的なひずみや傾き)**を用いて解析します。
これにより、
過去の座標系との整合性
地域全体の座標の傾向や変形
を数値化し、科学的に証明可能な結果として示すことができます。
現地杭そのものの位置を単独で確認することはできなくとも、
周囲の基準点網との現地境界杭との整合性によって、信頼性の高い座標を確認することが可能です。
■ LiDAR SLAMによる3D可視化
さらに当事務所では、**LiDAR SLAM(ライダースラム)**による3Dスキャンで土地全体を可視化します。
これにより、
地形や樹木、擁壁、杭の位置を立体的に確認
土地の境界や現況を誰でも直感的に理解
所有者や関係者との説明に活用
といった、「見て理解できる安心」を提供します。
従来の紙図面や写真だけでは伝わらない情報を、3Dモデルとして体感できます。
■ 土地所有者にとっての安心
GNSSスタティック観測による“精密な位置評価”
→ 登記や境界確認に耐える高精度な座標。
数学的変換による“科学的根拠のある検証”
→ 結果の信頼性を数値で示す。
LiDAR SLAMによる“現地の見える化”
→ 専門知識がなくても土地の状況を理解可能。
■ まとめ:科学的手法で土地を守る
現地杭は単独では正確に確認できませんが、
GNSSスタティック観測で高精度座標を測定し、ヘルマート/アフィン変換で整合性を評価、さらにLiDAR SLAMで現地を立体的に可視化することで、
土地所有者様に数字でも見た目でも納得できる安心をお届けします。
これにより、境界確認や登記手続き、将来の土地活用に向けた信頼性の高い基礎資料として活用可能です。



