【技術情報】測地成果2024対応と座標法の重要性
近年、不動産開発や境界確定の現場では、GNSS(衛星測位)を用いた3D測量や高精度測位が急速に普及しています。
その中でも代表的な方式が、NW型RTK(ネットワーク型RTK)測量とスタティック法です。
しかし、この2つの方式は「測量のスピード」と「精度」に大きな違いがあります。
本コラムでは、実務経験をもとに、不動産業者の皆様にも分かりやすくその違いを解説します。
NW型RTK(ネットワーク型RTK)とは
NW型RTKは、ジェノバ(GEONET)やアレス(ALES)などの補正情報を通信で受け取り、
現地でリアルタイムに座標を求める方式です。
測位精度:水平2〜3cm・高さ5cm程度(理想条件下)
通信環境が悪い場所では誤差が大きくなる
測量のスピードは非常に速い
このため、造成計画の初期段階や現況確認、3Dモデル化の参考測量には有効です。
ただし、法務局提出を前提とする登記測量や境界確定測量には不向きです。法務局提出の為には、登記多角点マニュアルで一定の精度確認が必要ですが、座標値は仮想基準点との相対測位です。
スタティック法とは
一方、スタティック法は、国土地理院の電子基準点を基準とし、
観測点にGNSS受信機を据え付けて1〜2時間ほど連続観測を行います。
その後、基準点データと組み合わせて解析することで、
水平1cm以下・高さ2cm以下という非常に高い精度を確保できます。
電波環境の影響を受けにくい
観測時間はかかるが再現性が高い
境界確定・登記測量に最適
この方式は、**不動産登記や筆界確認で求められる直接電子基準点から測量を行い3次元厳密網平均計算による解析を行い“測量精度”**を担保します。
当事務所の取り組み
当事務所では、現場条件に応じて
**NW型RTK測量(ジェノバ・アレス補正)**で迅速な現況確認、
スタティック法で確実な登記測量、
を使い分けています。
また、SLAM100による3D現況スキャンやTrend-Point解析も組み合わせ、
地形・構造物を立体的に把握したうえで境界検討を行います。
精度を最優先に確実な測量結果を提供しています。



