土地の境界は「見えない財産」です ― 相続・売買・建築・暮らしに関わる大切な基盤 ―
「うちは昔からの家だから、登記なんて関係ないよ」
そんな声を耳にすることがあります。確かに、日々の暮らしの中で登記の有無を意識する機会は少ないかもしれません。けれども、リフォームや相続、売却といった“人生の節目”において、未登記建物は思わぬ障壁になることがあります。
とくにリフォームの場面では、資金調達や計画の進行において、登記の有無が大きく影響します。
「登記されていない建物」は、金融機関からは評価対象外となり、ローン審査が通らないケースも少なくありません。
また、資産としての価値が不明確なままでは、売却や相続の際に手続きが複雑になり、家族や関係者が困ることにもつながります。
未登記建物が引き起こす主なリスク
ローン審査が通らない
登記簿がないと金融機関が担保評価できず、リフォームローンが組めない可能性があります。
資産価値が不明確になる
登記されていない建物は評価額が出せず、売却や相続時の交渉・分割が困難になります。
所有者不明となる可能性
登記がないと相続人が所有権を主張できず、放置されるリスクがあります。
手続きが複雑化・長期化する
関係者の負担が増し、感情的な摩擦や調整の長期化につながることがあります。
整理の流れと専門家の役割
① 現況確認
建物の構造・面積・位置を確認(担当:土地家屋調査士)
② 表題登記
建物の物理情報を登記(担当:土地家屋調査士)
③ 保存登記
所有権を登記(担当:司法書士)
④ リフォーム計画
改修内容に応じて設計・施工(担当:建築士・施工業者)
⑤ ローン申請
登記簿を担保に融資申請(担当:金融機関)
整理することで得られる安心
リフォームがスムーズに進む
資金調達・施工計画が明確になり、実現性が高まります。
資産価値が明確になる
売却・相続時の評価が可能になり、交渉もスムーズに。
家族への負担が減る
手続きが簡素化され、感情的な摩擦も回避できます。
地域との関係性が保たれる
所有者不明物件として放置されるリスクを回避できます。
まとめ
未登記建物の整理は、「いま困っていないから不要」ではなく、**「将来困らないための準備」**です。
登記を済ませておくことで、リフォームの自由度が広がり、資産としての価値も明確になります。
私たちは、現況図や3Dモデルを活用しながら、未登記建物の状態を“見える化”し、登記やリフォーム計画の第一歩をサポートしています。
ご自身やご家族の未来のために、いま一度、建物の登記状況を見直してみませんか。



