現場の環境を、設計卓で検討する時代へ― デスクトップ測量による配置・土量・構造物検討のDX ―

疋田敬之

疋田敬之

テーマ:土地 建物 測量 相続

設計者が現場に足を運ばずとも、地形・構造物・配置案を俯瞰し、施工性まで見通せる──そんな環境が、今や現実のものとなっています。
GNSS測量と3D解析技術の進化により、「現場の空気」を設計卓に届けることが可能になりました。
本稿では、建築事務所の未来を支える「デスクトップ測量」の可能性と、設計者の思考空間を拡張するDXの実例をご紹介します。

デスクトップ測量とは何か?
従来の測量は、現場での作業と設計者との分業が前提でした。
しかし今、GNSS測量・LiDARSLAMによる3D測量・点群解析・trend-point・TwinmotionやSketchUp Viewerといったツールの融合により、測量データを設計者自身が“思考の道具”として扱える環境が整いつつあります。


何が検討できるのか?
1. 建物配置の納まりと地形の関係性
• 敷地の起伏や隣接構造物との距離感を、3D空間で直感的に把握
• 境界線との関係や視線・日照条件まで、設計初期から検討可能

2. 土量計算と施工性の見通し
• 切土・盛土の概算をtrend-point上で視覚化
• 擁壁高さや造成コストの予測が、配置案と連動して見える

3. 隣地建物・道路との関係性
• 境界トラブルや配置ミスの予防設計が可能
• 設計者自身が「納得して配置を決める」環境を提供

建築事務所のDXとしての位置づけ
この取り組みは、単なる技術導入ではありません。
設計者の思考空間を拡張するDXです。
• 測量を「依頼するもの」から「設計の一部として活用するもの」へ
• 設計者が「自分の目で検討できる」環境を持つことで、提案力と信頼性が向上
• 現場との距離を縮めることで、設計と施工の連携がスムーズに


実例:ある建築事務所での活用
現況測量データとtrend-point・SketchUP Pro・Twinmotionによる配置検討を通じて、
施主様、個人の大工様との連携や現況確認がスムーズに進みました。
設計者が事務所に居ながら、配置案の納まり・土量・隣地との関係まで検討できたことで、
**「次の現場でも使いたい」**という声が自然に生まれています。

これからの設計者に必要な視点
未来志向のある設計者にとって、
「事務所にいても現場を感じながら設計する」ことは、もはや理想ではなく現実です。
• 提案力を高めたい
• 施工性まで見通した設計をしたい
• クライアントとの信頼関係を築きたい
そんな設計者にこそ、デスクトップ測量による思考空間の拡張は大きな武器になります。

ご相談・資料提供について
trend-point画像・Twinmotion画像やSketchUp Viewer形式でのデータ提供も可能です。
ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
設計者の思考を支える技術として、
私たちはこれからも、現場と設計の橋渡しを続けていきます。

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疋田敬之
専門家

疋田敬之(土地家屋調査士)

土地家屋調査士 疋田敬之事務所

衛星及び電子基準点を使用したネットワーク型RTK-GNSS測量で引照点観測をした世界座標による地積測量図を作成することにより何世代を経過しても安心して境界杭を維持管理できるデータを提供します

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