新聞コラムの書き写しはペン字上達に有効か? 知っておくべき効果と落とし穴
「自分の名前くらい、もう少しきれいに書けたらな…」と思ったことはありませんか?
私の教室でよく伺うのが、「相応の年齢になっても、自分の名前をきれいに書くことができない」というお悩みです。のし紙の表書きを自筆したい、書類の署名を上手に書けるようになりたい。そんなご要望を胸に、教室の扉をたたいてくださる方がいらっしゃいます。
実は、私自身もかつて同じ悩みを抱えていまました。字に自信がなく、結婚式やパーティー、イベントで芳名帳に住所や氏名を書くたびに、恥ずかしい思いをしていました。他の人の字と見比べては落ち込む、なんてこともよくありました。
今回はペン字講師として、そして同じ悩みを経験した一人として、自分の名前をきれいに書けるようになるための「考え方」をお伝えします。
名前がきれいに書けないのは「習っていない」から
最初にお伝えしたいのは、名前がきれいに書けないのは、あなたのセンスや努力が足りないせいではない、ということです。
私は、学校教育では漢字やひらがなを「正しく」書くことは教えていても、「きれいな字」を書くことまでは十分には教えていないと思います。筆順や字形を間違えずに書けることと、見た人が「美しい」と感じる字を書けることは、別の技術だからです。
つまり、学校で字を習ったというだけでは、きれいに書く方法を学んだことにはならないということですね。大人になってから「字が下手」と感じるのは、ある意味で自然なことだと私は思っています。
私自身、2017年に定年退職するまで、日常で書く字をきちんと習ったことはありませんでした。退職を機に以前から気になっていたペン字に挑戦し、2週間に1回のペースで教室へ通い始めました。
文字の構成やバランス、とめ・はね・はらいといった要点を、先生について基礎から一つずつ学ぶ。定年後に始めた私でも、学ぶほどに書くことの奥深さに引き込まれていきました。
名前がきれいに書けないのは、才能ではなく「習っていないから」というだけ、そう考えると、少し気持ちが軽くなりませんか。
書道と書写は、まったく別のもの
意外に思われるかもしれませんが、「字をきれいにしたいなら書道を習えばいい」という考え方には、私は少し違う意見を持っています。書道と書写は、まったく別のものだからです。
書道とは、墨の濃淡や線の勢い、余白などを通じて、書き手の感情や個性を表現する芸術のことです。作品として自分の内面を表す、奥深い世界といえます。
一方の書写とは、誰が見ても読みやすく、正しく整った文字を書くための学びを指します。情報を正確に伝えるための、いわば実用の字です。
芳名帳やのし袋、書類の署名に書く名前は、まさにこの「書写」の領域にあります。普段書く字をきれいにしたいのであれば、毛筆の書道ではなく、ペンで書写を学ぶのが好ましい、というのが私の考えです。
なおペン字とは、ボールペンや筆ペン、鉛筆など普段使う筆記具で、正しい筆順に沿って整然と端正な字を書く書写の学びのことです。名前を書くときと同じ道具で練習するので、教室で身につけたことを日常の場面にそのまま生かしやすいのも利点です。
書写・習字・書道の違いについては、以前のコラムで詳しく書きました。よろしければ、あわせてご覧ください。(https://mbp-japan.com/hyogo/uharapen2/column/5215682/)
資格を持つペン字講師に習うことをお勧めする理由
実は、ペン字の上達を左右するのは「誰に習うか」だと私は考えています。私がお勧めしたいのは、しっかりとした資格を持つ、ペン字専門の先生に習うことです。
私が取得している硬筆書写技能検定は、文部科学省が後援する検定です。歴史的仮名遣いなど字の知識を問われる理論試験と、楷書・行書・草書を書き分けるといった実技試験で構成されています。
私も師事していた先生の勧めでこの検定に挑み、受験前は朝から晩までひたすら書き続けました。最上位の1級に合格し、師匠から「空晃」という雅号をいただいたときのことは、今も忘れられません。
神戸うはらペン字教室で私が大切にしているのは、「なぜ、この形になるのか」という理由を、具体的なコツとルールとしてお伝えすることです。お手本を示したり、書いた字を直したりするだけでは、要領を得ない方は多いと思います。
例えば横線なら、「左から右に6度ほど上げると、きれいに見える」と具体的に説明するだけで、ぐっとわかりやすくなります。体系的に字を学んだ経験と、技術職として筋道を立てて物事を組み立ててきた経験をもとにした説明を心がけていますが、生徒さんから「わかりやすい」「納得できる」と言っていただけるのは、何よりの励みになっています。
ペン字は対面で質問しながら学ぶのが近道
ここまで読んで、「本や動画で独学してもいいのでは?」と感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。それでも私がいちばんお勧めしたいのは、対面で質疑応答をしながら学ぶ方法です。その場で書き癖を見てもらい、疑問をすぐに質問できることが、対面のよさです。
教室に1年以上通ってくださっている60代以上の女性の方からは、「文字の整え方のコツがわかり始め、練習をすれば上手に書ける実感があります」「いつも丁寧に教えていただき、私の書き癖を正して下さいます」というお声をいただきました。以前は書くことが嫌で、文字はほとんどデジタル入力で済ませていたそうです。
神戸うはらペン字教室は、一人一人に目が行き届くよう、各レッスンの定員を3名までとした少人数制で、ベーシック基本レッスンでは、生徒さんが書いてみたいことから習うことができます。「自分の名前を上手に書きたい」というご要望にも、もちろんお応えしています。
本山教室の体験会に参加された60代以上の女性の方からは、「自分の名前が少しきれいに書けるようになりました」とのご感想をいただきました。普段のメモ書きも上手に書けるようになりたい、とも書き添えてくださっています。
LINEを使った通信レッスンもご用意しており、添削内容へのご質問にはチャットでお答えしています。ただ、できることなら一度は対面で、目の前で書いていただきながら一緒に練習したいと思っています。
自分の名前は、これから先も何度も書く、いちばん身近な字です。手書きの文字には、書いた人の人柄が表れます。神戸うはらペン字教室では、芦屋市の教室(JR芦屋駅から徒歩約5分)と神戸市東灘区の本山教室(阪神青木駅から徒歩約10分)で、「書のある暮らし」を楽しめるよう一人一人に寄り添って指導しています。
初めての方には、1回完結のお手軽体験レッスンもございますので、自分の名前をきれいに書くための第一歩として、まずはお気軽にご相談ください。レッスン内容や料金はホームページでご確認いただけます。(https://uharapen2.jimdosite.com/)
まとめ
名前がきれいに書けないのは、才能ではなく、きれいに書く方法を習う機会がなかっただけです。資格を持つペン字専門の先生と向き合って学ぶことで、自分の名前が少しずつ好きになっていくと、私は信じています。
・芳名帳やのし袋に名前を書く場面が苦手な方
・書道と書写のどちらを習えばよいか迷っている方
・対面でじっくり質問しながらペン字を学びたい方
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