2020年が終わる
本日訪問のAさん(89歳男性、要介護1、独居)
「ホンマ寒いな〜」の挨拶に続いて、火事のニュースや、事故や事件…
確か最近あったような…と、こちらの記憶は曖昧ですが、詳細を詳しく、次々話してくださった。
すごいですね〜と驚くと、ニンマリ笑って、
「コレやこれ」と、ビニール袋に入った巻き物⁇の束を引っ張り出してきた。
クルクル巻いて輪ゴムで止めてあるのを、開いて見ると、広告の裏の白いのに、活字みたいなキッチリしたボールペンの字で、新聞記事が書き写してあった。
なんでも、最近ちょっとしたことをよく忘れてると、娘さん達から指摘され、それなら…と、時事ニュースを書き写すことを始めたらしい。
書いては話し、また見せては話すので、かなりしっかり記憶に刷り込まれるらしいのだ。
悪いニュースばっかりやから、書いて覚えてもしゃあないけどなぁ〜
と、笑ってはる。
それよりも、今覚えていること、忘れたくないことを、話して伝えられる相手が、ほしい…
何度でも、聞いてくれる相手が。
時間をかけて几帳面に書いてあるその巻物を、クチャッと丸めて、ゴミ箱にポイと捨てた。
置いとってもしゃあない…と言って。