目が離せない
友人から問い合わせがあった。
80代の義父の認知症がすすみ、徘徊がたびたびあるという。
今のところ、一人で家には帰ってこられるそうだけれど、一度だけ、
デイサービスから出てしまい、1時間以上捜索して、なんとか見つかった・・・
ということがあったらしい。
キョロキョロしながら歩いているところ、たまたま通りかかった消防隊員が声をかけると、
「家に連れて帰ってほしい」と自分から言って、デイのカバンに入っていた連絡帳の住所に連絡が入り、
無事に帰宅できたとのこと。
今後症状が進み、いつ、どんな格好で出てしまうかわからなくなった場合のために、
GPS機能のついた靴などが無いか探している・・・という相談。
GPS機能の携帯電話であったり、位置検索端末などが自治体の徘徊対策として貸出しがあったり・・・
ということは、調べたらしいが、端末の大きさからして(手のひらにのるぐらい)、
本人が気づかないところに忍ばせることは難しいし、忍ばせたモノを必ず身に着けるとは限らない。
心臓疾患のため、ペースメーカーが入っているので、できるだけ心臓から離れたところに装着する必要があるので、靴に入れられる端末などがあればいいのだけれど・・・という。
「GPS機能が付いた靴」というのは、発想としては、ナイス。
アメリカでは2011年に商品化されているが、日本ではまだなよう。
(検索すると一件あったが、電話をしてもつながらない・・・あやしい・・・)
認知症の相談窓口として、厚生労働省のホームページにのっていたところに電話してみた。
実際のケースとして、どういった対応、工夫をされているのか、最新の情報を教えてほしかったので。
GPS端末は、認知症がすすむと、携帯することが難しい。
気になって、取り外してしまったり、失くしたりすることが多いという。
衣服、靴などの、できるだけ本人の気づかない位置に、名前と連絡先を書いておく。
書いたモノを縫い付ける → ワッペン
貼り付ける → シール
・・・といった回答。
こちらから居場所を探すといった「積極的」な方法ではなく、
見つけてもらって知らせてもらう・・・という「受け身」な方法・・・
しかも、とてもシンプルというか、アナログな方法でした。
うちも母が行方不明になったことがある。
夕方いなくなってしまい、翌朝、8kmほど離れたところで見つかった。
無事に帰ってこれたのは、奇跡的・・・
当時、いろいろ考えて探して、結局、上記の方法しかなくて、
それから5年たった今でも、実際のところ何も変わってないんやな・・・と改めて知った。
もちろん、GPS端末をちゃんと持っていて、早期発見されたケースもあるので、
科学、技術の進歩は活かされているともいえる。
けれど、端末のメンテができなかったり、携帯すること自体が不可能な場合は、
やっぱり、原始的な方法しかないようだ。
まずは、そう伝えた。
友人は、現状がわかって、よかったという。
今、できることをやってみるという。
端末がペースメーカーにどの程度の影響を与えるのかは、機器によって異なるので、
照合してみないとわからない・・・という医療機関の情報も得ていた。
このテーマ、今後も追っていきます。