隣が火事
先日訪問したAさん(85歳、女性、要支援1、独居)
歩行が少しおぼつかなくなり、歩行器をレンタル中。
身の回りのことは、ほぼご自分でされており、
通院や外出も、一人で電車に乗って行くとのこと。
しかし、最近は家を出る前に、何度もガスや電気を消したか確かめ、
玄関の鍵を閉めてからも、不安になって戻ることがあるという。
この前は、病院のある駅に着いたのに、どうにも気になってしまい
また電車に乗って家まで引き返したらしい。(病院の予約も取り消したそう)
火事を出すのが一番怖いので、万が一にも・・・と思うと、
居てもたってもいられなくなってしまうそう。
ご自宅は、駅のホームから見えるところにあるので、
引き返してきてホームからのぞいても、消防車も来ておらず、煙も出ていない。
大丈夫か・・・と思ったけど、やっぱり家まで帰って、全部確認してやっと安心したそう。
心配で家まで戻ったことは、数えきれないけれど、
今まで、一度たりともガスや電気の消し忘れも、鍵の閉め忘れもなかったらしい。
だから、今回も大丈夫・・・と、自分に言い聞かせるけれど、
今回に限って・・・なら、えらいこっちゃ・・・と、結局帰るという。
「ボケてきよんですよね・・・」と、不安げにおっしゃる。
いやいや、年相応の物忘れの範疇である。
しかし、せっかく出かけても、そうすぐに帰っていては、
精神的にしんどいし、何より痛みのある足腰には、負担が大きい。
Aさんは、日頃から、何でもメモ書きして、
目につくところに貼ったり、持ち歩いたりしているそう。
それなら・・・と、外出前のチェック表をつくることをおすすめした。
いつもチェックするトコロをあらかじめ、記入しておく。
日付、ガス、電気、ベランダ戸締り、玄関鍵、などなど
確認した時点で、○なり、レ点なりつけて、全部確認し終えた時間を書いて、
外出する時に持って出る。不安になったら、その紙を見る・・・という方法。
「あ~それはいいコト聞いたわ。やってみるわ。」と、笑顔になった。
もちろん、加齢により、少しずついろんなことが出来なくなってくるし
わからなくもなってくる。
でも、自分のメモ書きを、自分で信用できる間は、このチェック表でも十分効果がある。
Aさんは、「暇な時に広告やらをメモ用紙に切って、この表を作っとこ~」と、
急にイキイキしだした。
(不意打ちでやってくる私の物忘れには、何か効果的なモノはないかな・・・)