聞き入れる魔法
前にこのコラムで書いた、ベッドを8cmほど移動してほしいというAさん
(参照 http://mbp-japan.com/hyogo/tomo-be/column/33218/)
最終的に4cmの移動となりました。
ベッドから車いすへ移乗する際に足を下す位置というのは、固定ではないので
確実につま先が、敷居からはみ出ないように・・・とすると、
やはり8cmはベッドを遠くに移動させる必要がありました。
しかしそれでは、車いすからベッドには移れても、
ベッドから車いすに移るのが困難を極める。
反動をつけて立ち上がり、車いすの座幅にぴったり納まるように お尻の向きを変えて
着座する・・・のが、なかなか一発ではいかない。
立ち上がりから何度もやり直すので、疲労がはげしい。
数回ベッドの位置をずらし直して、最終的に4cmで落ち着きました。
手をいっぱいに伸ばした距離から、さらに4cm遠くなるということが
どれだけ、全身のバランスや足腰への負担に影響するか・・・・を
目の当たりにした。
慣れるまでは、しばらくかかる・・・とおっしゃっていたAさん。
移乗が難しい場合は、どんなに少しの距離でも、
また調整して移動します・・・とお伝えした。
そもそもは、ベッドの位置が問題なのではない。
立ち上がり、移乗時に適切な支えがあれば、いいのだ。
けれど、和室で部屋のしきりは襖のため、手すりがつけられない。
つっぱり式のポールでは、車いすの接近時に足元が邪魔になる。
なので、ベッドに取り付けた介助バーを90度開いて、
手をいっぱいに伸ばしての動作となる。
すぐに介助バーが付け根からゆるみ、ギーギー異音がする。
同行した整備の人からは、ベッド本体にも相当負荷がかかっているので、
少しずつ蓄積されてゆがみが生じるだろう・・・とのこと。
安全のためには、こまめな訪問で、状況確認が必要。
それしかないのかな・・・