ふがいない
本日訪問のAさん(78歳、女性、要支援2)
50年前に自宅で、半身不随になったお姑さんの介護をしていた・・・そう。
「昔は、中風(ちゅうぶ)になったら、寝かしとけ言うて、全くの寝たきりやった」
「それでも、布団で用を足すのをいやがったから、トイレに連れて行った」
「歩かれへんから、引きずって連れて行く」
「和式トイレやから、小さい子を後ろから抱えてさせるみたいにせなアカンけど
お姑さんの方が体が大きいから、抱えられへん」
「子供ら呼んで、自分の背中に重ねて負ぶって、それでバランスがとれて、抱えられた」
「紙オムツなんかないから、ありとあらゆる木綿のモンをおしめにした」
「ビニールもナイロンもまだないから、油紙をしいた」
「ウールのコートやら、毛糸のセーターの目つまして、オムツカバーにした・・・」
そのお姑さんの介護は、2年ほどだったそう。
家じゅうの“布のモン”が、きれいさっぱりなくなったらしい・・・
その後ご主人が同じ半身不随になり、
なんてまあ、便利なモンがいろいろできて~と、びっくりした・・・とおっしゃる。
ベッド、洋式トイレ、紙おむつ、防水シーツ・・・
「今はあるのが当たり前やけど、無かったときに介護をしてるから、
ホンマにありがたいよ~」と、笑っておられた。
背骨の圧迫骨折を繰り返しているAさんだけれど、
「楽になってるから~」と、ご自分の寝起きの不自由さも、ご主人の介護も
そんなに苦にならないという。
昭和の母・・・ すごい。