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課題のありか

坂部智子

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テーマ:仕事のはなし

日常生活に不便があり、安全面からも何らかの対応が必要な場合、
例えば、Aさんは、ベッドからの立ち上がりが困難で、足腰への負担が増し、
転倒の危険もある・・・ようなケース。
解決するためには、Aさんをよくみる。
脚そのものに着目すると、①下肢の筋力アップを図る
動作に着目すると、②立ち上がり時に何か支えがあればスムーズになる
ベッドに着目すると、③もう少し高さを上げてみる
などなど、着目すべきところによって、解決策もいろいろ出てくる。

先日訪問したBさんは、バルーンカテーテル留置で、ベッドの横に蓄尿袋をぶら下げている。
ベッドから離れる時は、その袋を持って動く。
足元がだんだんおぼつかなくなってきたので、室内の動線上の要所に、
家具やツッパリ式の手すりをつけて、安全を図ろう・・・となった。
ベッドから立ち上がり、片手であちこち支えて歩くBさん。
往きと帰りで、支える向きが変わるので、手すりをどこつけるか・・・と
サービス担当者達であれこれ悩む。

Bさんの姿を見ていて、ふと、素朴な疑問。
なんで、片手でしか支えられないのか???
それは、もう片方の手で蓄尿袋を持っているから。
ならば、持たなくてよければ、両手が空く。
蓄尿袋を斜め掛けにして、ぶら下げることにした。
(ありあわせの、“てぬぐい”で。これが、けっこうばっちりでした。)
両手で支えられるようになって、伝い歩きがずいぶん楽になった。


課題は何か。
それを、どこに着目して解決するのか。
なにより、その”人“をよくよく見ることが大事。
キホンの基本を、改めて実感した。

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