日々の育みが

本日訪問のAさん（80代男性、要介護1、奥様と二人暮らし）
8年前に胃がんの手術をし、その後次つぎ転移も見つかり、
今も2週間に1度、抗がん剤の治療を受けている・・・とのこと。
疲れるので、しょっちゅ横になる。
元気なころから体重は半分になった。
あんまり食べられへんので、毎日点滴を受けに行っている・・・
と、おっしゃりながら、
その毎日の通院は、タクシー代がバカにならへんので・・・と、
最新の電動自転車に乗って行っているそう。

玄関の水槽に、金魚がたくさん。
思わず、「わ～」と見とれていると、「外には　わんさかメダカがおる」・・・とおっしゃる。
表のネットで囲んだ大きな水槽には、ほんとに、生まれたばかりの2ミリほどの子メダカから、
大人のまで、う～ん、200匹は軽く超えていそう。
金魚もメダカも、増えてくると、大きいのんから何匹かを、金魚屋さんに持って行って
“エサ”と交換してもらうらしい。
子メダガ達のために、身を売って・・・と、大笑い。
蕾をつけた大菊の鉢もたくさん並んでいる。
何年もずっとAさんが、毎日手入れをしているという。

次々と、癌になって、今もずっと治療していて、
体重がへったり、しんどかったり、いろいろあって、
これから先どうなるかはわからんけど、
それでも、毎日することがある。
金魚もメダカたちも、たくさんの植物も、Aさんに手をかけてもらって
毎日育まれている。

前向きやら、なんやら、わざわざそんなことは考えへんけど
今までしとったコトを、やれるうちはせな・・・と思とうだけや・・・

にかっと笑って、Aさんが、話してくださった。