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なぜ人間になれたのか その3

坂部智子

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テーマ:感想(TV、本、他)

NHKスペシャル「ヒューマンなぜ人間になれたのか」
この前の日曜日のが第3回目、「大地に種をまいたとき」。
(感想が今頃でスミマセン・・・)

いよいよ人類が10万年以上続いていた狩猟採集生活から、
農耕へと変化したところまでやってきた。
農耕は、人類史上最大の革命といわれるほどの飛躍だという。

しかし、農耕が始まった時期と、人間同士が戦う時期が重なるそうだ。
長い狩猟採集生活で培われた、人間が持つ闘争心(男性ホルモンの一種「テストステロン」)が、
農地という縄張りを死守するために、隣人に向けられたのだ。
やられたら、やり返す。

この対立関係を和らげるために、人類が考え出したのが、
交流を深めるために、ごちそうをふるまう、分かち合う・・・ということだった。
11000年前の遺跡、人類史上最古の祭儀場だという。
隣り合う部族が共同で儀式を行う「聖なる丘」。

対立関係にある部族が、折に触れその緊張を和らげる。
小麦からビールを。
米からお酒を。
貴重だからこそ、交流を深めることに役立ったのだという。

戦いをさけようとする、人類のその模索が、
食糧を確保するために、失敗してもくじけずに何度でも何度でも繰り返し続けたその取り組みが、
豊かな実りを生み出した。

信頼のホルモンといわれる「オキシトシン」。
親子や恋人・・・体が触れ合う場面で上昇するといわれるが、
結婚式など、ただ、その場にいるだけでも上昇する・・・ということがわかったそう。
心と心がふれあえば、上昇する。
人類が、「闘争」をさけるために「分かち合う」ということを見出して、
自ら進化させたのだ。

そして、人類は、手に入れた豊かな実りを「蓄える」ということをはじめる。
環境の変化や、様々な要因で、この先困ることがあっても、
蓄えることで、“希望”を、子孫に、将来に託すことができる。

「絶望を生む」のも人間だけだが、
「希望を持つ」のも人間だけ。

希望を持つということは、あきらめないということ。

8300年前の遺跡から、印鑑がたくさん見つかっているそうだ。
箱を紐で縛り、結び目を土で固め、そこに印鑑を押す。
箱の中身は、「希望」。(具体的には、種モミなどであろう・・・)

祖先が託した希望。
その、積み重ねた「時」の上に「今」がある。
人は、未来を耕す生き物なのだ。



ただ、自分達が生きるためだけでなく、
将来に「希望」を託すことを、遥か遠い遠い祖先たちがやってくれていた・・・・
「命のつながり」
本当に、つながっているのだと、
思った。


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