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坂道で

坂部智子

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テーマ:福祉用具のこと

歩行器の選定で、今回訪問したAさんの希望は、
「バスで外出したいので、軽量でコンパクトにたためること」でした。

両方の変形性膝関節症。
歩行状態は、小股ですり足ぎみ。
杖をつく位置がばらばらで、肩がひょこひょこ上がる。
(杖を着くのは苦手とのこと・・・練習要です・・・)
反対の手で荷物を持つので、左右のバランスがくずれ、
上体がねじれたようになる。

まずは、両手でグリップ(ハンドル)を握ることで、
肩の高さが左右揃い、歩行時の上体の揺れが軽減することを確認。

しかし、住居地は、なんとまあけっこうな坂の上。
くだり坂では、歩行器と体が離れ、歩行器に引っ張られるようになるので、
とても危険。
さらに、歩道はデコボコ。
坂の形状にそって、歩道が流れているので、そのまま歩行器も引っ張られる。

ベビーカーと同じようにたためるタイプの歩行器。
前輪の方向指示がハンドルと連携するタイプ。
(ハンドルを固定すると、タイヤも直進固定になるが、
曲がるときは 少々持ち上げないと進みづらい。)

結論から言うと、
「軽量&コンパクトにたためる」と、「坂道での安定性」が、今回のケースでは整合せず。
(介護保険のレンタル対応商品では)
(もちろん)「坂道での安定性」を重視して、違うタイプの歩行器を使うことになりました。

バスに乗ることは、頻度がまだ少ないので、杖と、家族の介助でなんとかするとのこと。
用途に応じて歩行器を複数台レンタルすることは可能ですが、
今回は一台(徒歩での外出用)のみとなりました。


歩行というと、下肢の筋力や関節の可動域などに着目しがちですが、
基本は身体全体のバランスなので、“上体が安定すること”は、とても大切です。
(体型的にふくよかな方(欧米風の上半身たっぷり型)は特に・・・と思われる・・・)

しかし、何よりも、実際の日常生活圏内で、
ハンドルをとられずに歩けるような道がいったいどれぐらいあるのかと
引き上げた商品を、押して歩いて戻りながら思った。
(少し体重をかけたり、左右のバランス悪く歩いたり、
ここぞとばかりにいろいろ試してみる)

用具でカバーできるほどに、用具の選択肢は 無い
用具の充実(進化)で、介護保険料の軽減は随分できるのに・・・な。
(Aさんが、バスをあきらめずに、タイプ違いで2台借りたとしたら)

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